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社会と行政の接点における情報化を目指した施策として次の事項が推進されている。すでに行政情報のホームページやCD-ROM等での電子的提供が行われ、ホームページでは平成11年度末までに全省庁においてクリアリング・システム(行政情報所在案内システム)が整備される予定である。また、申請届出等手続の電子化については各省庁が所管する8,822件について見直しが実施され、平成10年度末までに文書の真正性の保証に課題があるもの等を除く2,670件の手続について、磁気媒体を中心として手続の電子化が容認されている。オンラインによる手続については、先に述べた総務庁の共通課題研究会の検討、政府認証基盤(GPKI)の構想により平成12年度にアクションプランを策定し平成13年度からその実施を検討している。更に、1個所又は1回で各種行政サービスを受けられるワンストップ・サービスの実現では、「ワンストップ・サービスの整備方針」が平成10年度までに各省庁間でとりまとめられ、その整備の実施方針として、インターネットを利用して各種行政手続や行政情報の提供をする「総合行政サービスシステム」を平成12年度に整備することが検討され、平成17年度を目標として電子化によるワンストップ・サービスを計画している。政府調達手続の電子化では、平成12年度中に各省庁の調達情報を一括する政府調達情報統合データベースを構築し、平成13年度から統合された政府調達情報を提供する。同様に資格審査申請のシステム構築を平成12年度中に行い、平成13年度から定期審査を実施する。インターネットを利用した入札・開札は平成15年度を目途に試行実施し、平成17年度までに導入することが計画されている。

なお、先進的な地方公共団体では、すでに事務の電子化、行政情報の電子的提供(調達情報の提供を含む)が行われていおり、クリアリング・システムやワンストップ・サービスの検討が行われている。

 

2 電子行政文書管理システム

 

情報公開制度において、情報公開と行政文書の管理は車の両輪に例えられるが、開示請求があったときに、その文書が存在しなかったり、文書の所在が明確でなければ情報公開制度が機能しない。その意味で、文書管理が重視されるわけである。

これまでの地方公共団体における紙による文書管理は、簿冊管理と呼ばれる文書を綴じて管理するところが多く見受けられた。しかし、一般的(企業経営的)に文書管理システムは、ファイリング・システムにより行われている。これは、Nathan Rosenauが明治25(1892)年に考案したバーチカル・ファイリング(Filing Vertically)を指し、文書をフォルダーにはさみ、それをファイル・キャビネットに垂直に立てることにより管理し、取り出しやすくするものである。

 

 

 

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