日本財団 図書館


4.3.1 運送書類への記載事項

運送規則が要求する運送書類への記載事項は、規則によって若干の相違はありますが、国連勧告において運送書類の基本的記載事項として挙げているクラス、PSN、国連番号及び総数量(容積、質量、火薬類の正味質量)は、いずれの運送規則によっても要求されています。

一例として、IMDG コード総則第9節-運送書類で要求している基本的記載事項を次に示します。

1]PSN

2]クラス、火薬類の場合は等級及び隔離区分

3]国連番号

4]容器等級

5]クラス7の場合、放射性物質等のスケジュール 番号(IMDGコード クラス7通則にある。)

6]空容器の場合の正式品名への追加記載文字"EMPTY UNCLEANED" 又は"RESIDUE-LAST CONTAINED"

7]廃棄のために運送する危険物の正式品名への追加記載文字"WASTE"

8]個数及び容器包装の種類並びに総数量

9]61℃以下の場合の引火点及びその他の危険性

10]正式品名には書き表わされていない副次危険性

11]Marine Pollutant の場合の"MARINE POLLUTANT"の文字

12]温度管理が必要なクラス4.1(自己反応性物質)又はクラス5.2(有機過酸化物)の管理温度

13]危険物がサルベージ容器によって運送されている場合には"SALVAGE PACKAGING"の文字

本テキスト137ページ 資料6「危険物明細書又はコンテナ危険物明細書」を参照して下さい。

 

5 運送

運送人(船長、船舶所有者)が荷送人と運送契約を結び船舶で危険物を運送する場合に運送人が遵守すべき要件を説明します。

 

5.1 積載方法

船舶によって危険物を運送する場合、「旅客船」と「旅客船以外の船舶(貨物船)」とに分けて、また、船舶の積載場所としては「甲板上積載」と「甲板下積載」に分けてそれぞれ運送できる危険物を制限しています。

 

5.1.1 「旅客船」による運送が禁止されている危険物

危険物に係る事故は船内全体への災害波及が急速であるところから特別の危険性を有する物質及び物品は、火災事故等の場合多数の旅客の退避を必要とする「旅客船」に積載することは許可されていません。

 

5.1.2 「甲板上積載」と「甲板下積載」

「甲板下積載」は十分な保護を与えるという利点があり、また水ぬれに影響されやすい輸送物にも推奨されます。「甲板上積載」は、積載危険物に対して常時監視若しくは近接容易の必要性があるとき、又は爆発性混合ガスの生成、極めて有毒な蒸気の発生若しくは船体に対する強い腐しょく作用の危険がある場合に要求され、そのような場合は「甲板上積載に限る。」積載方法が要求されます。

 

5.1.3 その他の積載方法等

その他の積載方法として、危険物の性状によって「直射日光を避けること」、「熱源から遠ざけること」、「冷所に積載すること」、「乾燥状態に保つこと」、「居住場所から離して積載すること」、「食品類から離して積載すること」等が要求されることがあります。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION