2.5 主危険と副次危険(危険性優先順位表)
複数の危険性を有する危険物の場合、その危険物がどのクラスに所属するかを決定しなければなりません。この場合、クラス(主危険)以外の危険性は、副次危険となります。頻繁に運送されており危険物リストに固有名詞で記載されている危険物については、同リストにクラス(主危険)及び副次危険が示されています。包括品名又はN.O.S.品名を使用して運送しなければならない新規の又は初めて運送される危険物で複数の危険性を有する危険物の場合は、その主危険(クラス)及び副次危険を決定するための指針として「危険性優先順位表」を用います。
本テキスト103ページ「危険性優先順位表」 を参照して下さい。
2.6 品名(Proper Shipping Name : PSN)
危険物の品名は、危険物を特定する上で国連番号と同様に重要です。危険物運送書類又は輸送物には危険物リストに示されている品名を正確に記載又は表示することが規則上要求されます。いわゆる商品名"Commercial name"又は取引上の名称"Trade name"のみを運送書類に記載し又は輸送物に表示し使用することは規則上禁止されています。
危険物の運送において使用する品名は、危険物リストに明示された約2500の品名(Proper Shipping Name 以下 「PSN」)から該当するものを選択して使用しなければなりません。既にクラスが決定され頻繁に運送されている約2000の危険物は、危険物リストに固有名詞で記載されているのでそのPSNを使用します。それ以外の危険物のためには、危険物リストに記載された425個のN.O.S.品名又は包括品名のうち運送しようとしている危険物の性状及び危険性を最も正確に現している品名を選択して使用しなければなりません。その場合、クラス、副次危険、PSN、国連番号、容器等級等を信頼できるデータにより又は試験と判定基準によって確定する必要があります。
2.6.1 PSNの2つの種類
PSNには大別して次の2つの種類があります。
(1) 特定のPSN
危険物リストに記載されている特定の化学品、物質又は物品の固有名詞。これらは、混合物であることが濃度(質量%)等で明記されている場合を除き工業的純品を意味します。
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「酢酸(水溶液)(濃度が50質量%以上80質量%以下のもの)」 ;
「アセトンシアノヒドリン(安定剤入りのもの)」
(2) 総称的なPSN
(1)の特定されたPSN以外の化学品、物質又は物品を広くカバーする総称的なPSNであり、これらのPSNは追加の情報を記載することが要求されます(2.6.2項参照)。次の2種類があります。
1]包括品名(Generic Entry)
[ホ緇
「有機過酸化物A、B、C…」/「己反応性物質A、B、C…」等。
2]N.O.S.品名(Not Otherwise Specified : N.O.S.)
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「その他の毒物(他に品名が明示されているものを除く。)」 ;
「その他の引火性液体(他に品名が明示されているものを除く。)(腐しょく性のもの)」等。