これらXML機能補完技術は、ECアプリケーションをより使いやすく、また作業効率を向上させる上で重要なものです。もちろん、これらの機能は異なる業務で共通に利用できなければならないため、XML機能補完技術の機能要件やそれを利用するためのインターフェイスを標準化しておかねばなりません。すなわち、XMLの基本機能・補完技術を含めて標準化が推進されると、それらをシステムに組み上げる基本的な方法論が確立され、ECの世界で利用可能な多様なアプリケーション・ソフトウェアが開発され市場に提供されることが期待されるでしょう。
9-3.安全性、暗号技術、電子署名、本人認証
Q9-3-1:ネットワーク上での企業間情報交換において、どのようなセキュリティ対策上の考慮点が必要ですか。
EDIは、企業にとって重要な取引情報を当事者どうし交換する仕組みであるがゆえ、交換されるデータが外部から安全に保護され、かつEDIの当事者どうしが信頼し得る技術基盤がなければなりません。この技術基盤をEDIセキュリティと呼びます。EDIセキュリティは、(1)ネットワーク・レベルの安全性確保と(2)メッセージ・レベルの安全性確保の2層によって実現されます。(1)ネットワーク・レベルの安全性確保とは、EDI当事者以外の外部の者による、EDIネットワークへの不法な介入を防ぐことです。(2)データ・レベルの安全性確保とは、EDI当事者を含み、交換した電子データの発信者/受信者およびデータ内容についての信憑性を確保し、安心して取引を遂行できるようにすることです。