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企業間で取引を行う時、片方が英語しか話せずもう一方が日本語しか話せなかったら取引の遂行はできません。また、たとえ同じ言語を話せたとしても、企業の社内業務で使い慣れている用語が取引相手には異なる意味に解釈されるかもしれません。まして、国際間取引においては、法制度環境も含め業界における取引慣行は異なっており、使用するビジネス用語で誤解なく情報交換を行うことは以外に難しい事です。そこで必要となるのが「意味情報標準」です。これは、グローバル・ビジネスにおいて、いろいろな商慣習にも適用しうる商取引ボキャブラリを備えた世界共通ビジネス辞書を整備することであります。当ビジネス辞書の開発にあたっては、グローバルEC市場に参加する業界が積極的に関与し、コンピュータ処理にも絶えられるよう曖昧さのないものにしなければならなりません。また、グローバルな商取引ボキャブラリは、ECに参加する日本企業でも理解され使用できるよう、日本語対応辞書も必要です。XML仕様においては、商取引ボキャブラリをコンピュータで理解させるための仕組み(タグ付けと文書の構造化)をもっており、それらの世界共通標準を確立することは、ECが広範囲に使用されるための必須条件と言えるでしょう。

ところで、XMLは、企業間で交換する情報を文書として構築する基本機能を提供しますが、それをインターネットに接続したい業務処理を司るコンピュータ・アプリケーションで利用するためには、更にいろいろな補完技術が必要となります。例えば、XML文書を見栄え良く表示したり、汎用に利用できるように標準形式でファイルに蓄積したり、また他のXML文書を自動的に参照したりできる機能が開発されてきています。

 

 

 

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