8.電子商取引関連
8-1.契約の成立時期
Q8-1-2:UNCITRALモデル法では「送信者がそのデータの受領確認の受領を条件とする旨述べていた場合には、データメッセージは受領確認が受領されるまでは送信されていないものと見なす」と規定しています。EDI取引における契約の成立を立証するのにどのような方法が望ましいのでしょうか。
前項前段で説明した考え方です。
民法も定め、国連勧告第26号やICC電子商取引標準規約(URETS、最終ドラフト版)でも、受信確認を推奨していることをご説明しました。
この受信確認は機械的に行うことが可能であり、当然に要求すべきものと思います。その機能は発信者の確認、データ内容の解読可能性、を検証してその結果を発信するのですから、受信確認を要求しているのにこれが戻ってこない、という状況は、途中で事故があったか、相手方に届いていない、ということが考えられますので、連絡の上再送する、等の対策が必要となるでしょう。上記ルールやモデル協定書でも、そのようなメッセージは無かったものとして取扱う、としています。
一般的にどのような方法が良い、とは決められません。恐らく取引の慣習、相手方との関係、取引自動化をどこまで目指すのか、システムの出来具合、等によって選択が異なるものと思われます。
わが国で現在進行中のTEDI(貿易金融EDI)プロジェクトでは、まだ最終決定ではありませんが、このようなニーズに柔軟に対応するため、
1]受信確認はいかなる場合でも自動的に返送される。
2]送信者は、受信確認に加え承認確認を要求するか否かを選択可能とする。
3]受信確認のみを要求する場合、一定の時間(当面は銀行ルールに沿って168時間となる見込み)以内であれば、受信者は拒絶通知を発行することができる。
4]承認確認を要求する場合、一定の時間(上と同じとなる見込み)以内に承認の回答がない場合、その申し込みは拒絶されたものとみなす。
という方向で検討しています。