7-1.保険関係の電子化
Q7-1-11:受信した電子保険証券を銀行に送信しましたが、電子保険証券データを一部訂正して貰いたいとの連絡を受けました。データ訂正・データ追記は電子化後はどのようにすれば良いのですか。
保険証券の訂正には3通りの対応があります。第1は保険証券の差し替えで対応する場合、第2は契約者に預けた訂正印で対応する場合、第3は追約書(Rider, Addendum)を発行して対応する場合です。損害保険会社は、保険証券を発行する前に保険申込書と出来上がり証券を照合チェックした上で契約者にお届けしておりますが、契約者の方で届けられた証券にミスがあることを発見していただいた場合、契約者に時間的な余裕があれば損害保険会社は訂正した保険証券をお届けして保険証券を差し替えます。契約者に時間的な余裕がない場合には、契約者にあらかじめお預けしている訂正印でご対応いただき、訂正箇所を損害保険会社に事後連絡いただく方法を取っております。更に、海外バイヤーまで保険証券が届けられ、海外バイヤーから保険証券の訂正を求められる場合には、追約書(Rider, Addendum)を発行して契約者経由で海外バイヤーに届けるべく対応しています。
【電子化後の訂正対応】
電子化された書類の訂正対応は、保険証券に限らず貿易書類全般に共通する課題です。データの訂正/削除/取消はすべて履歴管理が必要です。途中でのデータ改竄の可能性も考えられ損害保険会社としては、特に輸出貨物保険に関わる電子保険証券の譲渡性ならびに海外クレーム処理を考慮して登録局に証券データのハッシュ関数値を記録させる方向で検討すべきと思います。登録局への記録を考えれば、発信されたデータの訂正/削除/取消を要する場合はすべて発信者にフィードバックして、発信者にのみ訂正/削除/取消が行えるとするルール作りが必要と考えます。登録局のシステムでデータの訂正/削除/取消の履歴管理がよりベターですが、利用料金の兼合いもあり将来的には費用対効果が課題と考えます。