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また、ネットワークと接続するには指定の通信プロトコルを使用します。ユーザーには大量のEDI情報を扱う事業者もあれば、ごく少量の情報しか扱わない事業者もあって、それぞれに適合したネットワーク接続と効率的に利用するためにネットワーク側に対してそれぞれに対応可能な通信プロトコルをサポートすることを望んでいます。しかし、現状では、民間のネットワーク(POLINETやS.C/S.F.NET)はVAN EDI用の全銀協手順、DRESS手順、SNA、X.25をサポートしているが、インターネットTCP/IPはまだ導入していない。一方、行政ネットワーク(Sea-NACCSや港湾EDIシステム)はTCP/IPだけを使用し、その他の通信プロトコルは使えません。結果的にユーザーは多様な通信プロトコルを導入して各ネットワークに対応せざるを得ない状況におかれています。

4]ネットワーク:

インターネットが利用者に歓迎されている理由は「使い易さ」と「経済性」にあります。ユーザーはプロバイダと利用(接続)契約すれば、通信相手がどこのインターネット・プロバイダと契約していようと何の問題もなく電子情報をやり取りできるからです。EDIユーザーもこのように一つのネットワークと接続するだけで、他のネットワークに接続した取引先と何の制約もなしにEDIができることを望んでいますが、ネットワーク運営組織間の相互接続に関する運用ルール、利用契約などの合意がない限り実現は不可能です。

VANサービス業者を起用した民間のEDIネットワーク(POLINETやS.C/S.F NETなど)は基本的にメッセージを送信者から指定の受信者のメールボックスに振り分け、配信する、いわゆるメッセージ・スイッチング・サービスが主体です。参加、利用条件も可能な限りオープン化を目指しています。

一方、行政手続を目的としたEDIネットワークはセキュリティの確保を優先して、関係行政との相互接続は認めているものの、基本的に民間のネットワークとの相互接続を認めない閉鎖型ネットワークを構築しています。本来、行政手続システムは各行政毎に独立の手続情報処理システムが構築され、行政(省庁)間で関連があるものはリンク・システムを導入すればよく、民間と行政を結ぶネットワークは独立・閉鎖型にする必要はないものです。ユーザーが自由にネットワークを選択して行政システムとデータ通信できる環境があればEDIの柔軟性、効率運用を格段にたかめることができるでしょう。

 

 

 

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