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5]ワンストップサービス:

「ワンストップサービス」の持つイメージは、1箇所または1回のデータ伝送で複数の相手先に手続情報の伝達や告知を行うことができるというもので多くの関係事業者がその実現を望んでいます。この「ワンストップサービス」については、国が検討組織を作って進めています。その対象業務としては、国、地方公共団体及び公共機関の事務に関わる各種手続、行政情報の提供などがあり、国際物流分野においては、関係省庁間で連携しつつ『輸出入及び港湾諸手続について、大蔵省における通関情報処理システムと厚生省及び農林水産省における検疫等行政手続システムとの連携に加え、通商産業省において、「外国為替及び外国貿易法」に基づく輸出入許可及び承認の手続のEDI化のためのシステム開発を進め、運輸省において、港湾管理者、港長に係る港湾諸手続のEDI化について、順次対象港を拡大し、また、法務省において、乗員上陸許可支援システムの開発を行い、手続のペーパーレス化、ワンストップサービスの順次拡充を進める』としています。

しかし、この「ワンストップサービス」を民々間の電子商取引の分野に導入するのは無理のようです。何故なら、企業間の商取引は1対1がベースですから1回のデータ伝送(同一取引情報)で複数の相手企業に伝達することは基本的にあり得ません。本船のスケジュール情報だとかCY/CFSのカットオフタイム、運賃タリフ情報のような不特定多数の顧客に公開する情報の提供や告知などしか対象にならないでしょう。

一つのネットワークに統合してデータ交換を行うこと、例えば、Sea-NACCSに一本化することが「ワンストップサービス」と受け止めている向きがありますが、厳密には「ネットワークの統合、一本化」=「ワンストップサービス」とは言えません。ユーザーの関心と期待は、第1に、「入出港予定通知/入出港届」など異なる行政窓口に対し似たような情報書式で何度も行政手続を行うことなく、一つの行政窓口に1回の伝送で済ませられる「ワンストップサービス」の実現、第2に、ユーザーが接続している、あるいは、接続しやすいネットワークを介して、たとえ異なるネットワークに接続している関係行政並びに取引企業であってもデータ通信が可能な「ネットワーク間相互接続」のインフラ構築にあると考えられます。

後者については、POLINETのような「VAN to VAN」形式のネットワーク同士が相互接続する場合、相互接続の技術面、運用面の問題、割高となる利用料金問題など克服しなければならないハードルがあります。その点では、「インターネット」並びにその通信技法を導入、活用することにより克服できると思います。

 

 

 

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