1]社内業務システムと社内ファイル:
社内業務システムが部門毎、業務毎に独立して構築されていると部門間の共通情報の持ち方、受け渡しシステムが必要になるが、社内統合システムまたはクライアント/サ-バーシステムを構築して情報共有化を実現できれば次段の変換システムとのリンクが容易になりEDIシステムの柔軟性、運用効率を高めることが出来ます。
2]変換システム:
標準シンタックス、標準メッセージの種別に対応するマッピング(社内ファイルの情報項目と標準メッセージの情報項目の紐つけ)及び変換(トランスレーション)ソフトを用意しなければならない。シンタックスにも世界標準UN/EDIFACT、日本標準CII、業界標準(SHIPNETS、NACCS EDIなど)、企業個別があり、できるだけ標準シンタックスで広く合意されたものを導入した方が望ましいが、取引相手、行政側の対応と関連するので自社の意思だけでは決められない一面があります。
また、特定の手続業務を目的として国連のUN/EDIFACT標準メッセージに準拠して作られたサブセットであっても、使用するネットワークによって異なるサブセットとなっていることがあります。例えば、更改Sea-NACCSの「船積確認事項登録」(317業務=IFTMINによるD/R情報)とPOLINETの「IFTMINによるD/R情報」は異なるサブセットとなっているため、この情報をやり取りする海貨業者(通関業者)と船社(船舶代理店)は2種類のサブセットに対応できる変換システムを組み込む必要があります。これもEDIシステムの煩雑化につながり、運用効率の低下を招きます。
3]EDIサーバー:
社内システムとネットワークを結ぶゲートになるもので、電子封筒(ヘッダー/トレーラ)の作成、振り分け・統合処理、ネットワーク接続(通信プロトコル対応)、通信管理・記録などの機能を持っています。周囲の環境にもよりますが1台のサーバーで複数のネットワークとのEDIに対応させることができます。しかし、昨年10月に更改されたSea-NACCSのように、ユーザー側のEDIゲートウェイ・サーバーはSea-NACCS専用サーバーしか認めないとする閉鎖的な運用ルールを適用されると、それだけでEDIシステムの柔軟性、運用効率は損なわれるでしょう。