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4-19.保険の補填

 

Q4-19-2:“THE INTERNATIONAL GROUPE”が現在の約款では船荷証券の電子化は填補されないリスクが有る旨船社に警告していると聞きますが、どの様な点を問題にしているのでしょうか?

国際PIグループは、ペーパーレストレーディング(BOLERO PROJECT等)に関し、以下の様な対応を取っています。

1]1999年1月に

(a)保険契約に「ペーパーレス・トレードに関する特別規約」を作成し、1999年保険年度より適用することとしました。この特別規約の内容は、次の様なものです。

BOLEROの様な書類を取り交わさない貿易システムの下で生ずる責任について、原則として、これをカバーから除外する。但し、従来の様な書類に基づく船積みが行われていても生じたであろう責任に就いては、クラブのカバーを受けることが出来ます。

(b)加えて、組合員に対し、次の様な注意喚起がなされました。

書類を取り交わさない貿易取引システムへの参加は、PI保険の範疇でない新たな責任(例えば、守秘義務やコンピュター・リンクの維持義務等)にさらされるおそれが有り、これらの責任は、PIの提供するカバーの対象外であるので、別途特別な保険の手配が必要となります。

2]ついで、1999年10月、次の様な趣旨の特別回報が出されました。

(a)BOLEROの利用者が、従来の様に書類を取り交わす場合には生じなかったであろう船主責任(P&I LIABILITIES)を負うリスクは依然として残っており、しかも、その様な責任がBOLERO側の過失により引き起こされた場合でも、BOLEROに対する求償は、契約上、一事故又は一連の事故あたり10万ドルに制限されています。

(b)国際P&Iグループでは、これらの、通常のP&I保険カバーから除外される船主責任部分に対する保険を、保険市場から手配しており、組合員の利用が可能です。(限度額:一事故あたり5,000万ドル)

(c)但し、この保険は、電子商取引に参加したことに起因する“海事責任”とは言えない責任は対象としておらず、従って、例えば、守秘義務違反やコンピュータ・リンク維持義務違反等を巡る責任は対象外となるので、別途保険手配が必要です。

(d)加えて、電子B/Lの持つ、MIS-DELIVERYの危険性に関して次の様な注意喚起が行われました。

 

 

 

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