関係者間のルールの整合性が必要ですが、これを具体化する方法としては、会員制クラブを結成し、その定款としてルールを定める方法と、当事者間の基本協定書の中に電子的な方法による場合のルールを置く方法とが考えられます。
後者は、今まではEDI協定書、と呼ばれ、国連(UN/CEFACT)が「国連勧告第26号」として公表したモデル協定書があり、(財)日本貿易関係手続簡易化協会でもこれを研究し、評価を交えて発表しています。
電子商取引、特に貿易取引においては、当事者間の協定だけでは足りず、認証機関、登録機関、の媒介が想定されますが、国連勧告第26号はそのようなデータ交換を想定して記述されたものではないので、それら機関との契約(利用規約)との関係にも配慮して整合性のあるEDI協定書が作成されなければなりません。
この二者間契約の連鎖によるEDI協定書、の方式は、実際の契約関係者が現在の携帯に似た契約を行えば済むので、誰でも参加できる(オープン)ものではありますが、直接の取引相手以外の参加者との契約が連鎖していることをどのように確認するか、といったわずらわしさが予想されます。
一方、前者はクラブの定款ですから、メンバーであることを確認できれば同じルールで電子商取引を行う組織であることが推定できる点はメリットです。
長期的に見ると、各国の法制度整備や条約による後押しがなされると期待されます。最近では、欧米やアジア諸国で電子署名法、あるいは電子取引法、といった法律が施行され始めており、わが国でも2000年には電子認証法が制定される予定です。
1-5. 我が国における電子化の取組み
Q1-5-1:わが国ではどのような取組みがなされたのですか。
現時点(2000年初頭)では貿易手続きの電子化の実用化に向けた実証試験の準備が行われています。名称をTEDI(貿易金融EDI実証プロジェクト)といいます。