(6)運送人は、現権利者に対して内容確認のメッセージを伝送する。
(7)現権利者は、個人キー#2を使用して、譲渡メッセージを運送人に伝送する。
(8)現権利者と運送人の確認により、現権利者の運送品の支配・処分権は消滅する。[この手順を繰り返すことにより、権利移転が転々と行われます。]
[III] 最終譲受人と運送人の間
(1)上記のように、最終譲受人は運送人とあらかじめEDI交換協定を締結し、運送中の物品の引渡請求権の移転について、電子式船荷証券に関するCMI規則に従う旨を合意する。また、EDIメッセージの伝送に当たって使用する暗証番号を取り決めておく。
(2)運送人は、現権利者からの権利譲渡の通知に指定されていた第三者(最終譲受人)に対して、運送品に関する情報[上記III(2)と同一の運送品に関するメッセージ、ただし、個人キー#2を除く]を伝送する。
(3)これに対して、当該第三者(最終譲受人)が、運送品の支配・処分権を受領する旨のメッセージを運送人に通知する。
(4)運送人は、当該第三者(最終譲受人)に新しい個人キー#3を発給する。これによって、権利の移転が完成し、当該第三者は新しい権利者になる。
(5)後日、仕向地において、運送人が最終権利者に対して運送品の引渡予定を通知する。最終権利者は、自分が運送品の引渡を受けるときは、個人キー#3によって同一性を明らかにして、「引渡請求」メッセージを運送人に伝送する。また、実際に、ターミナルにおいて貨物を受取る者の暗証番号などを連絡する。
(6)運送人は、現権利者に対して確認のメッセージを伝送する。
(7)最終権利者から連絡のあった受取人を確認して、運送人は当該受取人に運送品の引渡を行う。
CMIの電子式船荷証券の特徴
CMI規則による電子式船荷証券の特徴として、以下の点を挙げることができます。
1]EDIによって書面形式の船荷証券の流通過程を模倣していること、
2]基本的には、EDIメッセージによる通知とそれに対する確認システムであること、
3]電子式船荷証券の中央登録機関として海上運送人が設定されていること、
4]個人キー・システムを導入して電子式船荷証券の流通性を保証していること、
5]CMI規則は、条約でも強行法規でもないので、当事者間の契約自由の原則に基づいて、当該規則に従って取引を行う旨の合意が行われた場合にのみ適用されること、等