[I] 荷送人と運送人の間
(1)まず、荷送人(売主、譲渡人)、譲受人(買主、または銀行)、最終譲受人(転売先)などの関係者は運送人とあらかじめEDI交換協定を締結し、運送中の物品の引渡請求権の移転について、電子式船荷証券に関するCMI規則に従う旨を合意し、また、EDIメッセージの伝送に当たって使用する暗証番号を取り決めておく。
(2)荷送人は運送人に対して「船腹申込」をEDIメッセージによって行う。
(3)運送人は船腹申込の「確認メッセージ」を荷送人に伝送する。
(4)運送人に運送品が引渡され、物品が船積みされる。
(5)運送人は荷送人に対して「貨物受取」のメッセージを伝送する。このメッセージには、以後使用されるべき暗証番号(個人キー#1)が含まれている。また、この「貨物受取」メッセージには、船荷証券の必要記載事項である情報が含まれている。
(6)荷送人が「貨物受取」メッセージの通知を受け取った旨の「内容確認」を伝送することにより、荷送人は、CMI規則に基づく運送品の支配・処分権を運送人に対して行使しうる権利者として確定する。
(7)後日、荷送人が運送中の物品を他に譲渡したときは、荷送人は、運送人に対して、自己の運送契約上の権利(運送品の支配・支分権)を第三者に移転する旨を、個人キー#1を使用することにより、同一性を明らかにして伝送する。
(8)運送人は、荷送人に対して内容確認のメッセージを伝送する。
(9)荷送人は、個人キー#1を使用して、譲渡メッセージを運送人に伝送する。
(10)荷送人と運送人の確認により、当該荷送人の運送品の支配・処分権は消滅する。
[II] 譲受人と運送人の間
(1)上記のように、譲受人は運送人とあらかじめEDI交換協定を締結し、運送中の物品の引渡請求権の移転について、電子式船荷証券に関するCMI規則に従う旨を合意する。また、EDIメッセージの伝送に当たって使用する暗証番号を取り決めておく。
(2)運送人は、荷送人からの権利譲渡の通知に指定されていた第三者に対して、運送品に関する情報[上記I(5)「貨物受取」メッセージと同じ内容、ただし、個人キー#1を除く]を伝送する。
(3)これに対して、当該第三者(譲受人)が、運送品の支配・処分権を受領する旨のメッセージを運送人に通知する。
(4)運送人は、当該第三者(譲受人)に新しい個人キー#2を発給する。これによって、権利の移転が完成する。
(5)後日、当該第三者(現権利者)が運送中の物品を他に譲渡したときは、現権利者は、運送人に対して、自己の運送契約上の権利(運送品の支配・支分権)を第三者(最終譲受人)に移転する旨を、個人キー#2を使用することにより、同一性を明らかにして伝送する。