リフトの取り扱いに関しては、ライコン社のリフト取り扱いに準拠したものである。
障害の理解については、障害が身体に与える影響およびその対応を中心に学ぶ。エイズや心臓疾患の人など、外見上どこが悪いのかわからない場合もあることに留意している。また、透析患者が多いので、治療終了後すぐに迎えに行っても患者が動けない場合がある。ジュースを買ってあげてから、元気をつけて移動するなどの配慮を臨機応変に取り入れている。これをアシストテクニック(介助技術)と呼んでいる。
d. 講師
鉄道部門ではライトハウスというところから視覚障害を持つ人を招いたり、てんかん協会などの協力を得ている。
パラトランジット部門では内部での対応と外部のコンサルタント会社に依頼して対応している。
e. コスト
パラトランジット部門では、ペンシルバニア輸送リサーチネットワークの教育プログラムを利用している。テーマごとに5つのバインダーが用意されており、TMSI社ではそのうち2つを使用している。同プログラムはペンシルバニア州立大学の研究成果が反映されたプログラム(PennTRAIN : www.patransit.psu.edu)で、ほとんどの資材が無料で提供されている。
3]バンクーバー都市圏交通事業体(Trans Link)
a. 事業概要
バンクーバー都市圏交通事業体(以下トランズリンク)は、カナダのブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー都市圏(以下GVRD : Greater Vancouver Regional District)の交通局(GVTA : Greater Vancouver Transportation Authority)が交通事業を行う部門の名称である。本部はバンクーバー市に隣接したバーナビー市にある。
トランズリンクの設置は、1999年4月1日に州法に基いて行われた。これまで、州内の交通はBCTransit(ビー・シー・トランジット)が統一して運営していたが、GVRDのエリアについてはBCTransitから分離して、トランズリンクが交通に限らず都市の成長管理をも含めた業務を遂行する。
組織規模は、本部スタッフがおよそ150名、ドライバーや駅務員等の現業従事者がおよそ4,000名である。現在は通勤鉄道、バス、リニアモーターを駆動して自動運転されるスカイトレイン(Sky Train)、フェリー(Sea Bus)、スペシャル・トランスポートのハンディ・ダート(handy DART)を運行している。