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・ バス部門

バスドライバーは常勤、パートを含め2,300人在籍している。

バス部門では通常6週間のトレーニングを行い、この中にセンシティビティ・トレーニング及び2時間のADA学習が必ず組み込まれている。センシティビティ・トレーニングは、全てのドライバーが2日間の座学での講習を受けるとともに、実技としてリフトの使用法等を学ぶ内容を持つ。

また、障害の理解については8時間の1日コースを設けて、冊子を使用して対応している。スピーチアクセント(発話、発音上の障害から聞き取りにくい場合、母国語のなまりがあり聞き取りにくい場合など)などへの対応が含まれている。

疾病などで長期休養したドライバーへは復帰時に同様の再トレーニングを実施する。

 

・ 鉄道部門

 

駅務員のトレーニングが主体である。最初はバスに乗務していた人が鉄道に移ることが多いので、鉄道に移ってきた人は既に訓練をうけていることになる。

初めて鉄道に入る人は7週間の訓練を実施する。最初の1週間は乗客対応である。テキスト(『Student Manual for Passenger Relations』)はUNIT IとUNIT IIに分かれており、様々な障害のある人への対応を扱うのはUNIT IIである。7週間のコースの後、品質管理の担当者がトレーニングの達成度を点検し、各駅に配属される。人数が多い場合は質の維持からトレーニングを8週間実施することもある。

 

・ パラトランジット部門

 

インハウス(in house : 室内)プログラムという、社内の担当者が講師資格を取得して行う社内向けプログラムを実施している。担当者はオペレータおよびマネージャ資格のある者であり、特に教育係として特化しているわけではない。

従業員には2〜3週間の訓練を実施しているほか、全米安全委員会の1日研修および乗客対応の2〜3日のトレーニングで認定証を交付している。一連のトレーニングが終わると、3ヶ月ごとに専門のコンサルタントがきて必要に応じて追加トレーニングを行うことになっている。

 

c. プログラムおよび教材等の内容

 

・ バス部門

 

最も基本となる教材は、鉄道、バス共通の独自プログラム『100% service』である。入社後も5年くらいのサイクルで教育する。この教材は特に高齢者・障害者への対応をまとめたものではなく、基本的な接遇について触れたものである。

また、地域のリハビリテーション研究所から提供を受けた、障害者に関するテーマごとにまとめられた冊子を活用している。

 

 

 

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