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プログラムを実施する場合にはこうした事前・事後評価のプロセスが重要である。プログラムの有用な点、問題点の把握が可能になるためである。可能ならば利用者からの意見も取り入れるとより効果的な接遇が行えると考えられる。

 

2]ワシントン首都圏交通事業体(WMATA)

 

a. 事業概要

 

WMATA(Washington Metropolitan Area Transit Authority)は1967年に議会が設立を認可し、営業を開始した。1976年に最初の鉄道路線が開通し、現在も進行中の計画がある。地下鉄(メトロ)、バス(メトロバス)を運営し、パラトランジット(メトロアクセス)は、民間の交通事業者に委託して運営している。交通機関の概要を表3-2-6に示した。

高齢者・障害者向けの対策は、ADAの完全な順守を目標として進められている。ADAより先に整備した鉄道では駅設備等の改善が必要になっている。例えば、エレベーターの入口幅員の改造、ホームでの情報案内、点字ブロック、列車接近を示すホーム端部の照明などの整備を進めている。バスは1980年からリフト車を導入し、1,300台中1,000台(77%)がリフトまたはスロープ付である。

 

表3-2-6 WMATAが提供する交通機関の概要

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b. センシティビティ・プログラムの実施方法

 

以下では、センシティビティ・プログラムに関する情報を鉄道、バス、パラトランジットの部門ごとにまとめた。WMATAでは、従来の接遇教育に加えてADAへの対応を取り入れている。対応事項はアムトラックと同様に運輸省のADA規則による。

 

 

 

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