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(2) 接遇・介助教育の実施に関する課題

 

1]情報収集と教材作成

 

接遇・介助教育のプログラムの実施にあたって、適切な教材(マニュアル)の確保ができるかどうかが問題になる。教材は受講者に必要な情報を確実に、効果的に伝えるための媒体としての役割を担うからである。海外の調査事例では、テキストの他にビデオ、CD-ROMを利用したコンピューターによる対話型の教材等が工夫され、実際に教育に取り入れられている(後述)。

教材の調達においては、独自で整備する方法、外部の既成のものを使う方法または外部に委託して作成する方法などが考えられる(表2-4-2)。独自で整備を行う場合、自社で蓄積されたノウハウを直接反映させる事ができ、業務上の必要性に対応した教材を作成できるという点でメリットがある。この調査においても実際に鉄道や航空事業者では独自で整備している。しかし、教材作成にかかる人件費や情報の収集力などの点で、規模の大きい交通事業者でなければ難しい。

 

表2-4-2 マニュアルの作成方法の整理

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外部の教材を使用する場合、自社の交通事業に特化した適切な内容の教材が用意されているとは限らない。一般的な介助についてのテキストはあっても、交通事業者向けのものは用意されていない。2-1で報告したアンケート結果でも、タクシー事業者などは介護への対応から市販のホームヘルパー養成講座の教材を利用している事例がある。

外部委託によりオリジナル教材を作成する方法は、自社の必要条件を反映させ得ると同時に作成の手間が省けると言う点で優れている。しかし、オリジナル性を高めるほどコスト高になる可能性がある。

 

 

 

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