日本財団 図書館


2]鉄道(JR東日本)

 

a. 接遇・介助教育の実施状況

 

接遇のポイントをまとめた「グリーンハンドブック」を全社員に配布している。集合研修や現場単位で行われるサービス勉強会などの機会を利用し社員指導に使用している。このハンドブックは昭和62年以降の民営化後の対応で作成されたもので、改訂を加えて現在第3版になっている。

「ハンドブック」をもとにサービス研修を実施している。研修の開催日程は不定期だが、年に数十回程度実施し、1回あたり20名程度の社員が研修に参加している。

各職場では上記研修の他に、毎月サービス勉強会を行い、サービス向上のための議論および学習を行っている。サービス教育の中心は健常者への接遇が主な内容であり、「グリーンハンドブック」においても介添え方法を紹介し情報提供するに留まっている。そのため、駅毎に視覚障害者訓練センターから講師を招いたり、駅毎に整備する「応対標準」に手話を掲載するなど、個別に深い取り組みをしている事例もある。

 

b. 今後の計画および課題

 

今後は各駅ごとの事情を反映させている「応対標準」の中にも「お身体の不自由なお客様への介添え方法」について盛り込むように指導していく。一部の駅で取り入れている先行的な取り組みを水平展開できるように情報の共有化を図りたい。また、「ハンドブック」もより細かな対応ができる内容にしたい。なお、利用者からはエレベーター、エスカレーター等の設備設置の要望が多い。

 

3]航空(日本航空)

 

a. 接遇・介助教育の実施状況

 

社内向け『「May I Help You ?」プライオリティゲストのためのサービスハンドブック』および利用者向け『安心の旅のお手伝いおからだの不自由なお客様へのサービスのご案内』を準備している(図2-2-2)。また、車いす取り扱いのためのビデオ教材を用意している。テキスト等は本社で、基本的に独自の経験に基づいて作成している。編集はサービス推進委員会を設置して対応している。

研修の受講対象者は新入社員で、入社研修時に2時間実施している。

空港ごとに地上サービス(カウンターの受付から搭乗まで)を委託しているが、委託先に対しても、上記ハンドブックで教育を実施している。女性社員が多いので実際の車いすの取り扱いは契約会社の男性社員に依頼し研修を行っている。目の不自由な方への誘導・疑似体験も実施している。

プライオリティゲスト(PG)サービスは連携した手配を目的として、航空機の予約から空港での移動、搭乗に至るまでを、利用者の状況に合わせてサポートするシステムである。これにより連続性のある連携した対応を行っている。空港出口まではお送りする対応をとっている。プライオリティゲストとして登録利用している利用者(PGカード会員)は現在およそ500名である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION