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教育時間は、タクシーでは、福祉輸送を行っているため利用者個人への対応が中心であることから、ホームヘルパー2級資格の取得を目指している事業者が多く、規模に関わりなく講習時間が長くなっている。通常の乗務のための研修の他に、最低130時間の研修が必要(2級取得)である。

バスや鉄道事業者では、入社時や節目研修、通常の接遇教育等の一部として高齢者・障害者対応に触れるのが一般的であり、教育にかける時間は30分から2時間程度、長くても1日(8時間)程度が多い。事業者によりかなり差が生じている。

 

d. 使用している教材

 

鉄道は大手事業者が多いため、独自の教材を用いて、通常の研修時に組み込んで「接遇・介助サービス」の教育を実施しているところが多い。

バスでは車いすやリフト装置の取り扱いマニュアルに関連して教育を行っているケースが多く、また、高齢者・障害者の疑似体験を行う研修や講師を招いて講演形式で実施している例がある。

タクシーでは小規模な事業者が大半であることもあり、独自の教材整備はない。全国福祉輸送サービス協会が編集した介助の手引きや、ホームヘルパー資格のテキストを利用している場合が多い。

 

e.教育を実施していない理由

 

調査の結果から教育を実施していない、または検討中であるという事業者が32あった。その32事業者についてその理由を表2-1-4にまとめた。情報不足を指摘する意見が多い。

 

表2-1-4 接遇・介助教育を実施していない理由

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*複数回答している場合は「その他」に繰り入れ。

 

f. マニュアルが整備された場合の使用意向

 

接遇・介助教育のマニュアルが整備された場合の使用意向については、使用したいと回答した事業者がほぼ半数となった。この傾向は、現在接遇・介助教育を行っている場合、そうでない場合ともに共通している(表2-1-5)。

 

 

 

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