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こうした発展途上の状況を補完することも含めて、高齢者や障害者などが安心して公共交通を利用し、目的地に到達できるためには、人的な対応が必要とされている。しかし、人による対応も、行く先々でまちまちであったり、十分に安全で快適な対応を受けられないという現状が指摘されており、質的にばらつきがあるという状況である。加えて、過度な対応や認識不足によるトラブルも指摘され、わが国でも高齢者および障害者に対する接し方に配慮が必要であることがようやく認識され始めてきた。こうした状況から、移動と交通に関して、交通事業者の接遇と介助の実態を把握し、課題および今後の方向を分析し、具体的な指針(マニュアル)と実施のためのプログラムを整備していくことが重要である。

 

1-4 調査の進め方

 

本調査は2ヶ年を予定しており、以下の手順で調査を進める。

・平成11年度はわが国ならびに海外の接遇・介助教育の実態および先進事例を調査、情報収集し、分析・整理する。

・これを踏まえて平成12年度に交通事業者向けの接遇・介助教育プログラムのマニュアルを作成する。

本年度の調査では、主として交通事業者における、接遇 介助教育の現状を国内および海外において把握した(図1-4-1)。

 

図1-4-1 本年度調査の位置付け

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なお、交通事業者の教育と並んで、海外で行われているような利用者の教育も重要であるが、本調査では割愛し、別の機会を得て取り組むこととする。

 

(1) 国内の調査

 

1]交通事業者へのアンケート調査

 

全国レベルでの大まかな接遇・介助教育の実施状況を知るために、はがきによるアンケートを実施した。このアンケートでは、鉄道、バス、タクシーの事業者に対して、主として接遇・介助教育プログラム(研修)の有無、マニュアルの有無等を確認した。

 

 

 

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