4. 分析と評価
4.1 評価方法
収集したシンボルをコンセプト別のグループに分け、評価は以下の2段階で行われた。
1) “AIGA委員会”メンバー各人が互いに討議することなく、各自の採点表に1から5までの5段階を使って意味性、統一性、実用性について評価した。
2) 次に“AIGA委員会”全体として、グループ分けされたシンボルコンセプトの適否を討議して評定するという形で、シンボルコンセプトを評価した。
4.2 評価基準
評価の基準は客観的な観点に基盤を置き、次の3点について評価した。
1) 意味性(Semantic): ビジュアルイメージと意味との関係
・シンボルがメッセージをどれほどよく表しているか?
・シンボルが表すメッセージを人々は理解できるか?
・文化の異なる国から来た人々がこのシンボルを誤解しないか?
・さまざまな年齢の人々がこのシンボルを理解できるか?
・このシンボルは覚えにくいか?
・既に広く行き渡っているシンボルか?
・メッセージに関係ない要素が含まれていまいか?
2) 統一性(Syntactic): 一つのビジュアルイメージと他のものとの関係
・このシンボルはどのように見えるか?
・一つのシンボルの各部分は互いによく関連づけられているか?
・他のシンボルともよく関連づけられているか?
・図と地の関係、スケールなどに関し、他のシンボルと矛盾してないか?
・段階的な認知の構造に適合しているか?
・もっとも重要な要素が最初に目につくか?
・既存の標準や風習に抵触しないか?
・相互に関係する各種のコンセプトに、システマティックに応用できるか?
3)実用性(Pragmatic): ビジュアルイメージと利用者との関係
・人にサインが見えるか?
・暗い照明、見にくい角度、その他の‘ビジュアルノイズ’によって悪影響を受けないか?
・通常利用される距離内のどこからでもよく見えるか?
・特に傷つきやすくなっていないか?複製、拡大、縮小が容易にできるか?