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この時期はものごとを分類する働きがかなり進歩し、自分の知っていることをかき分けることができる。しかしまだ空間への認識が十分でなく、配列には関連性がない。また自己中心的で、対象物とのつながりは感情的、興味的で、自分の知っていることだけ表現している。太陽や花に目や口が現れるのはアニミズムの傾向があるからで大切にしたい。人物表現は手や足をかくときまだ1本の線が多い。ク]

 

ク] 4歳半前後

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4歳頃から色彩表現に興味を示し現実とは無関係に色を使っているが、この頃になると、自分の知覚や感情が働き、対象に近い色や気分に合った色をある程度考えて使うようになるがまだ不十分である。想像力もさらに豊かになり、想像力を使って自分のしたいことを行動化する。対象の特徴を覚えていたり、装飾的なものもかき加えたりと自由に表現を楽しんでいる。人物表現では手足が2本線となる。ケ]

 

ケ] 5歳前後

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これまで羅列(られつ)的表現がみられていたのが、もの相互の関係の把握(はあく)ができるようになり、自分とものとのかかわりが意識されてくるので、説明要素の多い表現となる。また空間への認識がいっそう深まり、画面の下の部分に土や草をかいたり、上の部分には雲や太陽をかいたり、自分の視点でかくものの方向を決めることもできるようになる。人物については見方も深まり、目・鼻・指なども詳しくかくようになる。コ]

 

コ] 5歳半前後

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画面の下の部分に1本の線(基底線)がみられるようになり、その上にいろいろなものをかく。基底線のない場合は画用紙の下の部分を基底線に見立てているが、画面そのものが自分のいる場所である。また画面中央のテーブルの線も基底線となり、その線にそって人物をかいていくこともある。人物の動きにはその子なりの合理性が見られ、対象物に自分の手がとどくように手を長くかくこともある。サ]

 

サ] 6歳前後

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