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運動機能や言語能力の発達にともなって終結した円がかけるようになり、ほとんどの子がかいたものを説明する。また空間認識もかなり発達し、画用紙の中に大きな円をかきその中に小さな円をかいたり、円を幾つか並べたりする子もいる。また直線を使って三角形や角形をかく子もいるが、一般的には線を終結して円をかき説明を加える程度で、まだ相手に自分の表象を伝えるための表現はできず、表出活動が続く。エ]

 

エ] 2歳半前後

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運動機能は一層発達し、運動の抑制力も身につく。線の終結がうまくでき、きれいな円がかけ、またジグザグ線、短い水平線や垂直線も自由にかけるようになる。普通3歳前後になるとこれらの線を使って人物の顔がかけるようになるが個人差があり、顔だけ、顔と手、顔と足だけもある。これまでは表出的ななぐり描きをしていたが、人物の顔がかけるようになると、自分の表象を外に伝達できる絵画表現活動が始まる。オ]

 

オ] 3歳前後

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表現の意図をもって、簡単な形態をかくことができるようになるが、見たものをそのままかくのではなく、生活の中で知り得たものをかいている。象徴的思考の発達によるもので、実物の形態描写ではなく象徴的な表現をする。人物の顔の表現も知っているものをかくが、知的発達にともない認知力が増し、口や鼻は中央に配置して目・耳・手・足は左右対称に表現できるようになる。これを頭足人という。カ]

 

カ] 3歳半前後

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空間認識や形態認識が深まり、直観的な思考力が発達してくることで、表現の内容もより豊かになる。対象を見とる場合には、直観的な思考が働き自分なりのとらえ方をするので、デフォルメされた形の表現もみられる。人物表現は、頭に胴の部分が加わり頭足人から一歩内容が深まってくる。この期の大きな特徴は、動物をかくとほとんど疑人化された表現となることだ。キ]

 

キ] 4歳前後

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