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5) ヘルパンギーナ

1]病原体は主としてコクサキーA群ウイルスだが、その他のエンテロウイルスによっても起こる。飛沫感染が主だが糞便中にもウイルスは排泄される。突然の発熱、咽頭の発疹、水疱とその後の潰瘍が特徴の夏かぜである。潜伏期間は2〜7日。感染源となりうるのは発症後2〜3日なので、解熱して元気になれば登園できる。

2]手足口病に準じる。

 

6) マイコプラズマ感染症

1]マイコプラズマによる上気道感染で、飛沫感染による。かぜの一種だが、咳がひどく、しつこいのが特徴。胸部X線所見上淡い肺炎像を見る。潜伏期間は2〜3週間。

2]感染力の強い急性期が終わって、症状が改善し、全身状態がよくなれば登園可能。発熱やひどい咳のある間は肺炎のおそれがあり、安静と医療が必要。

 

7) 流行性嘔吐下痢症

1]嘔吐と下痢が突然始まることが特徴の疾患であり、病原は主としてロタウイルス、小型球形ウイルス(SRSV)、時にアデノウイルスである。主として経口感染であるが、飛沫感染も重要。流行は冬に多い。下痢便が白くなることもある。潜伏期間は1〜3日。

2]症状のある間がウイルスの排泄期間である。下痢、嘔吐が強く、脱水の心配のある間は安静と治療が重要。症状が回復し全身状態がよくなれば登園可能。

 

○以下の3疾患は、出席停止の措置が必要でない感染症の例である。

 

8) アタマジラミ

1]アタマジラミは、コロモジラミ(衣類に付着して、発疹チフスなどの病原体を媒介)やケジラミ(陰毛に寄生する性感染症)とは異なる。症状はかゆみを訴える程度。卵を探して取り除く。駆除剤が有効であり、頭髪を刈る必要はない。タオル、くしなどの共用を避け、衣類、シーツ、枕カバー、帽子などを熱湯で洗う。気付くまでに1か月程度。

2]登園停止の必要はない。頭髪をていねいに観察し、虫卵を発見したら一斉に駆除する。

 

 

 

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