9) ミズイボ(伝染性軟疣<属>腫)
1]伝染性軟疣腫ウイルスによる皮膚感染症で、幼児期に好発。体幹、四肢に半球状に隆起し、中心が凹んだ、光沢のある粟粒大〜米粒大のいぼ。他の症状は殆どない。いぼの白い内容物中にウイルスがおり、付着するといぼを生ずる。自家接種でふえ、他人にもうつるが、免疫抗体ができてくると自然に消退する。直接接触感染の他に間接感染もありうる。プールでのビート板や浮き輪、タオルなどの共用をしないのがよい。
2]登園停止や水遊びの禁止の必要はない。
10) 伝染性膿痂疹(とびひ)
1]主として黄色ブドウ球菌や溶連菌による皮膚感染症で、紅斑、膿水疱、びらん、痂皮をつくる「おでき」である。潜伏期間は2〜10日。接触感染であり、夏に多い。抗菌剤を用いた治療と、皮膚の清潔が基本的に大切。集団の場では病巣を適当な方法で覆うのがよいが、被覆は治療上好ましくないことがあり、治療と予防のバランスを考慮する。
2]登園停止の必要はないが、患児と他の子の皮膚が直接触れ合わないような配慮を。
○すべての疾患について共通だが、感染予防のための注意が、子どもたちに差別的な感じを与えないように、またいじめ対象などにならないように、十分な注意が重要である。