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2) 流行性角結膜炎

1] アデノウイルス(主に8型)により、伝染性角結膜炎を呈する眼の疾患である。プールやタオルなどの共用で感染する。予防には手洗い、タオルなど眼に触れるものを共用しないなどを注意。プールを閉鎖する必要のあることもある。潜伏期間は1週間以上。

2]眼の症状が軽快しても感染力が残ることがあるので、医師により伝染のおそれがないと認められるまで出席停止。

 

3) 急性出血性結膜炎

1]主としてエンテロウイルス70型により、結膜下に出血を起こすのが特徴の結膜炎。接触感染であり、感染力が強い。目脂など眼の分泌物に触れない注意、手洗いの励行、洗面具やタオルなどの共用を避けることが大切。潜伏期間は24〜36時間と短い。

2]流行性角結膜炎と同様である。

 

○第3種のうち、その他の伝染病として考えられる感染症の例

以下の7疾患は、流行の状況によっては、出席停止などの流行阻止の措置が必要になりうる感染症の例である。通常は「学校伝染病」としての対応は必要ないが、施設長と園医・嘱託医が相談の上判断して頂きたい。

 

1) 溶連菌感染症

1]A群ベータ溶血性連鎖球菌(溶連菌)による感染症で、扁桃炎など上気道感染症、皮膚感染症、猩紅熱など多様な症状を示す。合併症として、リウマチ熱、急性腎炎などがあり、さらに最近では急速に重症化する激症型が注目されているので、症状が強い間は安静を守らせ、経過を十分に観察する必要がある。飛沫感染であり、潜伏期間は2〜4日、猩紅熱は1〜7日。予防はうがい、手洗いなど一般的方法しかない。必要があればペニシリン製剤による予防的治療が行われる。

2]適切な抗生剤治療が行われれば、ほとんどの場合24時間以内に他人へ伝染を防げる程度に病原菌を抑制できるので、治療開始後24時間以上を経て熱もなく、全身状態がよければ登校登園は可能である。

 

 

 

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