3]国連の専門会議(1992.カナダ・バンクーバー)
「Toward a Society for All(万人のための社会に向けて)」
2010年には「障害のある者もない者も、お年寄りも子供も、男も女も」
4] 福祉コミュニティの形成(大橋謙策日本社会事業大学教授:1993)
「障害者や高齢者を均域から隔離することなく、地域でともに生きていく社会をつくるためには、住民の社会福祉意識を改善し、福祉コミュニティを形成することが必要である。日本人は戦前の富国強兵政策や戦後の高度経済成長政策の下での人間観をいまでも色濃く有しており、戦争で勝ち抜くことや速いことがいいことだという価値規範で生活してきた。そこでは、障害者や高齢者とともに生きるという人間観は育ちにくい。ノーマライゼイションという考え方を具現化するためには、これらの価値規範を問い直し、新しい人間観・社会観を確立しなければならない。」
5]ヴォルフェンスベルガーの「ソーシャル・ロール・ヴァロライゼーション
(Social Role Valorization:社会的役割価値化)」
(冨安芳和訳「ソーシャル・ロール・ヴァロリゼーション入門」学苑社、1995年など)
「できる限り、文化的に言って、価値がある手段を用いて、人々−特に、価値評価の点でリスクを抱えている人々−のために価値ある社会的役割を可能にすること、確立すること、高めること、保持すること、そして/あるいは、防衛すること」(1992)
『ノーマライゼイションの誤解の克服』
「『普通』をおしきせるのではない。障害をもつ人々を排除する社会の正常化の必要性。社会がこの人たちを社会的に評価できる社会とする」
6]地域社会を変革していく当事者の活動
「(知的障害者が地域での生活を続けていると……)奇異な特定の行動は地域の方におのずから明らかになっていますので、声のかけ方などを地域の方が工夫をされるようなこともありますし、お店の方もそれなりの対応をしてくださいます。どのような状況におられる方でも、自分のありのままの姿を認めていただける人を身近にもつと、非常に自尊心が高まります。人はそういうふうに接しられたときにはじめて、自分に自信をもって行動することができます。…このような経験の積み重ねにより、自分の周りの世界を、自分なりにコントロールしていく力を獲得する……」(栗原:1995)
→地域での生活により、障害者自身も大きく成長し、地域も変わっていく
→『街に慣れる、街が慣れる』(『平成7年度版障害者白書』)
7]社会からの受容(河野和代)(藤田雅子他:『知的障害をもつ青年2] 暮らす青年』.コレール社,1995年)
→社会の一元的価値観ではだめ
彼等を社会に合わせようとすることに問題、まず認める、信じる
「…『能力』に価値を見出すこの社会や援助者の価値観が『彼等の思いや実行しようとする力』に制限を加えようとしたり受容しなかったりする場合は多いと思われる。知的障害をもつ人が自分の実力を実際以上に見せようとしたり、援助者が知的障害者を過小評価しがちなのは、そこに社会の一元的価値観を働かせているからであり、彼等を社会に合わせようとする側に問題がありはしないだろうか……」
8]「障害者が未来を拓く」(小林繁市他:『施設を出て町に暮らす』ぶどう社,1993年)
小林繁市氏:伊達市立通勤寮、第1回バンク・ミケルセン賞を受賞