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13. まとめ

 

本調査研究委員会は平成10年度から3カ年計画で調査研究を行っている。年々、新しい電子機器が開発され、使用される機器の数が増大すると共に多種多様な場所で使用されるようになりつつある。これに対処してEMC規制も年々改訂され、厳しい方向に向けられている。このためEMC国際規格の動向について常に注意を払い、船舶関係者に周知する必要がある。

平成11年度も引き続いて船舶に関係あるEMC規格の国際動向について調査を行った。

船舶に直接関係するEMC規格のIEC60945は船舶に搭載される全ての電気と電子機器に適用されるようになった。

2002年7月1日以後に建造される旅客などはIEC60945規格に合格することが規定され、それ以前に建造された船舶の搭載機器についても順次2009年迄にEMC規格に合格させるように要求されている。

平成11年度における試験機器は平成10年度と同じ、

ナブテックス受信機

電力制御装置

スピードコントローラ

油分濃度計

の4機種についてイミュニティ試験を行った。10章に、それらの結果がしめしてあるようにIEC60945の規格に合格しない機種があった。シールド材を使用したり、フェライトコアを挿入したり対策を講ずることから規格に合格させることが出来た。

EMC対策が必要であることが示されたが、製品コスト上昇の問題や狭い船室に複数の電子機器が混在した場合の相互干渉など今後検討する問題が残されている。

CEマーキングは船舶に搭載する全ての電気と電子機器に適用される。しかも、期限付きで規定される。船舶関係者がますます重要となるEMC問題に関心を持ち、本調査研究委員会が取り上げている4機種以外の電気・電子機器についてもCEマークが取得出来るようにする啓蒙活動が必要と考える。

本調査研究の実施に当たり、財政上の支援を頂いた日本財団、ご指導頂いた運輸省、EMCの測定や対策に従事された委員と船舶艤装品研究所の職員、及び事務局の方々のご努力に心からお礼を申し上げます。

委員長 鈴木  務

 

 

 

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