2) 特定出来た機器からどのような経路で妨害波が、伝達するかを調査した。
特定した機器は、機関室設置のパネル内に組込まれており、無線室から離れているので本体から直接妨害波を与えることが考えられなかった。
機器から出ている配線は、機関室から無線室の壁内を通過し操舵室へ布線されていた為、この配線が伝達経路と断定した。
但し、この配線と無線機との間に直接的な結合は無かった。
3) この配線を、電源と信号とに分けて調査した。
1]電源をアイソレーションして、影響の有無の確認を行った。……変化なし。
2]信号(2線式通信線)を別経路にて仮配線した。……影響が無くなった。
4) 配線仕様を調査した結果、上記通信線は2芯シールド線となっていたが、マルチ線にて代用されていた。
この通信線を正規の2芯シールド線に変更し確認をした。……影響が無くなった。
【対策】
1) 信号線をマルチ線から2芯シールド線に変更し、シールド端末を機関室パネル側で一点接地とした。
2) 機関室パネル内機器出口の信号線部分にEMCフィルタを取付けた。
【備考】
1) この不具合の影響を与えた機器は、CE規格に対する対応が取れていなかった。
しかし、CE規格の対応が取れていたらこの不具合が無かったかどうかは不明。
2) この対策後、不具合の発生は無くなった。
3) 伝達経路の詳細は、明確に出来なかった。