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33. 地雷の埋設場所を特定するのは極めて難しいので、地元住民と地雷除去機関から、埋設されている可能性がある地帯の最新情報を得ることが最優先事項となる。移動時にはこの情報を書き込んだ地図を持参し、地元住民に確認しながら情報を更新する。

 

34. 注意点。

 

□ 標識――地雷埋設地帯を示す標識を覚える(地元の標識、国連その他の標識)。

□ 行くべきでない場所――地元住民が避ける地帯には立ち入らない。

□ 目に見える地雷、または地雷があることを示すもの――地雷の種類によっては見えるものもある。また、地雷用の容器が、地雷の存在を示すこともある。

□ 地元環境の破壊――地雷が埋設されたばかりの場所は土が掘り返された跡があり、以前からある地雷原は地面がくぼんでいる。

□ 仕掛け線

□ 地雷の被害(動物の死骸など)が見られたら他にも地雷が埋まっているものと見なす。

 

35. 車両を運転する時の予防策。

 

□ できるだけ路面が硬くなっている道を通る。

□ 常に他の車が作った新しいわだちの上を通り、前の車両から50メートル以上の距離をおく。

□ 防弾服は座席のクッションや足の保護にも使える。

□ シートベルトを着用し、窓は開けたままにし、ドアのロックを外す。

 

36. 地雷に遭遇したら守ること。

 

□ 離れている。触らない。

□ 石を投げて爆発させようとしない。

□ 直ちに車を止める。

□ たとえ車が破損しても車内にとどまり、助けを求める。

 

37. 車から出なければならない場合の注意点。

 

□ 無線で現在位置を知らせる。

□ ハンドルを動かさない。

□ 防護服がある場合は着用する。

□ 座席を乗り越えて車両後部から脱出し、わだち伝いに歩いて戻る。絶対に車両の周りを歩かない。

□ 人と人の間は20メートル以上間隔を置く。

□ 道路を封鎖して他の交通を遮断する。

 

38. 徒歩で移動する場合の注意点。

 

□ 植物が生い茂った地帯は決して歩かないこと。よく使われる道から離れない。

 

39. 地雷事故があった場合の注意点。

 

□ すぐに死傷者に近寄らず、立ち止まって、状況を把握する。近くにまだ対人地雷がある可能性もあり、一人の犠牲者に応急手当てをする時に新たな犠牲者を出しかねない。

□ 死傷者に近づくのは1人だけにし、犠牲者の足跡を正確たどり応急手当てを施す。

□ やむを得ない場合以外、死傷者を動かそうとしないこと。地雷除去担当者と医療支援を求める。

 

40. 国連システム内では、地雷撤去と関連問題の主たる責任はPKO局にある。自主帰還に関する第19章の地雷関連の記述を参照。

 

保護設備

41. UNHCRが使用している代表的な設備は以下の通り。

i. ほとんどの弾丸に対応できる防弾チョッキ

ii. りゅう散弾対応用の防弾服

iii. りゅう散弾対応用のヘルメット

iv. 手りゅう弾と対人地雷に対する車両の防護装備(バリスティック・ブランケット〈ballistic blanket〉の車両への装着)

v. 装甲車

vi. 破砕防止窓

vii. 集合場所用の軍事用配給食

viii. 身体用の金属探知器

 

 

 

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