フィールド(現場)の安全
27. フィールドの安全を高めるために、関連職員と所長は以下の措置を講じる。
□ 移動管理計画を立てる(上記参照)。
□ 出張の計画を立てる時は以下の人たちに最新の治安状況を確認する。1)DO。2)そこに行ったことがある者。3)庇護国の職員。4)その他の国連機関。5)NGO。6)業者。
□ DOや庇護国当局から全ての必要な許認可を取得する。
□ 事故や故障が起きた時の措置を全職員に周知させ、その場合の簡単な手続きを確立する。
□ 車両には、以下のものを完備する。予備の食糧と水、寝袋、蚊帳、テント、水ろ過器、燃料、牽引用のロープ、ブースターコード、スペアタイヤ、ジャッキ、懐中電灯、バッテリー、救急箱、旅行証明書、無線機、車両保険書類、シャベル、地図。
□ 車両は良好な状態に保ち、定期点検する。フィールドに出る時は、ブレーキ、タイヤの摩耗、オイル・水など、照明、据え付け無線を必ず事前に点検する。
□ 検問所での対処法を全職員に周知させる。職員が従うべき手続きを確立する。国連の車両内での武器携行は国連の方針上、許されない。
現金の安全
28. 理想的には、職員が多額の現金を携帯すべきではない。当該地区に銀行制度があれば、出来るだけ利用する。
29. 現金を輸送する必要がある時は、庇護国当局と保護取り決めを結ぶ。多額の現金を手元に置くのはできるだけ短時間にとどめ、銀行に預けるか、給与の支払いその他の出費に早急に充てること。現金の残高を増やさないためには、(財務規則の遵守を条件に)前払いも考えられる。
30. 現金輸送時の安全を高めるために、以下の利用が考えられる。
i. 専門の運送業者
ii. 装甲車
iii. 武装警備員
iv. 工夫。輸送に規則性があってはならない。時間、ルートなど細かい点を毎回変更する。
v. 慎重さ。現金の移動、現金を運ぶ人の個人情報、運搬ルート、スケジュールを知る人の数は最小限に抑える。
群集の管理と安全
31. 群集を避けられない場合は、以下を実施する。
□ 群集に明確な情報を与え、彼らが現状を把握し将来を予測できるようにする。
□ 代表者と協力して群集を小集団に分け座らせる。
□ 攻撃的な話し合いには応じない。
□ 不満について話し合う時は群集の代表者数名と会い、決して大勢を相手にしない。
□ 衛生施設、水、日陰、シェルターを提供する。
□ 群集の管理では、群集の中から(群集の動きなどを管理する)指導員を選出する。
□ 車中にいるときに群集に遭遇した場合は、車から出ない。ドアがロックされているか確認し、慎重に運転してその場から離れる。
□ 敵対的な人々と遭遇したら、怒りを見せず平静と威厳を保つ。
地雷に対する警戒
32. 地雷の危険が高い国では、全事務所で適切な訓練を行ない、参考資料(主な参考文献を参照)を用意する。本書の情報は十分でなく、大まかな手引きにすぎない。