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◆はじめに

 

◆ 職員およびその扶養者、財産、組織の安全(safety)確保は、主に庇護国政府の任務である。

◆ 政府が任務を円滑に遂行できるよう最善を尽くし、適切な支援取り決めを締結したり、庇護国の安全当局者と定期的に連絡し情報交換する。

◆ 庇護国の安全当局者による措置に加え、以下の勧告事項をすべて検討して補完する。

◆ すべての事務所に安全計画と医療撤退計画をもたせること。

◆ 地雷対策の基本ルールは、「疑わしい場合は近寄るな」である。疑わしい場合は庇護国の軍隊に通知する。不審な物体は地雷または仕掛け爆弾とみなす。

 

◆国連安全システム

 

1. 国連システム全体の取り決めは、『国連フィールド安全ハンドブック(United Nations Field Security Handbook)』(参考文献を参照)に詳述されており、本章ではその概要を述べる。

国連機関はフィールドの国連職員や施設・機器の安全を確保するため、国連全体での対応方式に合意している。

ニューヨークに拠点を置く国連安全調整官(UNSECOORD = UN Security Co-ordinator)は事務総長の代理として、いかなる安全状況に対しても国連の一貫した対応が行なわれるようにし、各国の安全状況について毎月レポートを発行している。UNHCR本部のフィールド安全課でも国別の情報と助言が得られる。

 

2.

職員の安全と保護に対する責任は、主に庇護国政府にある。

この責任は自らの管轄内において法と秩序(law and order)を維持するという、すべての政府に固有の役割に由来する。

 

3. UNHCRや他の国連機関は、可能かつ実行できる範囲で、共同活動しているNGO(非政府組織)の職員など外部の人々の保護に手を貸す。ただし、UNHCRには、難民にかかわる活動をしている外部の者に対して法的義務はない。

 

4. どの国でも指定担当官(DO = Designated Official)と呼ばれる国連の主任管理職級職員が、国連システムの安全管理(security management)対策を担当している。DOには、UNSECOORDを介して国連職員の安全状況を事務総長に報告する義務がある。

 

5. DOの主な任務は以下の通り。

 

□ 安全問題について庇護国政府の当局者と調整する。

□ 地域の安全計画を策定する。国内職員の移動と国際職員の撤退(evacuation)に関する規定を盛り込む。

□ 職員の安全に影響を与えそうな事態はすべて(UNSECOORDを通じて)事務総長に報告する。

□ 通信が遮断され事務総長の事前承認を受けられない場合は、移転や撤退を実行する。

□ 安全管理チーム(SMT = Security Management Team)を組織する。

□ 各国連機関の主任級職員に安全措置を知らせる。

 

 

 

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