◆予算と財政
(チェックリストの財政、設備、供給物資の項を参照)
支出(expenditure)の権限
37. 現在、UNHCRでは、支出を以下の2種類に分類している。
i. プロジェクト費
ii. 管理支援費
この分類法は、将来変更される可能性がある。
38. プロジェクト費を使う権限は、業務命令書(LOI = letter of instruction)によって与えられる。第8章参照。
39. 管理費を使う権限は、運営予算・支出承認書(ABOD = Administrative Budget and Obligation Document)によって与えられ、本部が各事務所長宛てに発行される。職員人件費以外の費用すべてがまかなわれる。臨時雇いの給与や時間外手当てなどもABODに含まれる。
40. 緊急事態における管理費の追加権限は、既存のABODを変更して現地事務所に付与される。UNHCRの代表がいない国で緊急事態が発生した場合は、直ちに最初のABODが発行され、その後、管理運営上の必要事項を追加できる。割り当てられた資金に対する支出は、コンピューター会計システムで作成される運営予算管理表(ABCS = Administrative Budget Control Sheet)で管理する。
送金
41. 資金は、すぐに利用できなければならない。通常、資金は銀行送金されるが、特に辺地にある現地事務所の銀行口座に送金する場合は、複雑な銀行手続きのため、送金がひどく遅れてしまう場合が多い。できればニューヨークのシティバンクかスイスのUBS銀行と直接的な国際取引関係のある地方銀行を選ぶことが重要である。詳細は、本部財務課に問い合わせること。
42. 緊急事態の初期には、ジュネーブから銀行小切手を持参し現地事務所の銀行口座に直接入金することもできる。この場合、小切手の安全確保のために万全の措置を講じるのは当然のことである。
43. 全く銀行業務のサービスを受けられないという極端な場合は、財務課から特別許可を取りつけ地元で(地場企業・業者を通じて)現金を取得することもできる。UNHCRが現金を受け取り次第、業者の指定する口座に資金が振り込まれる。また専門の宅配便会社を使い、現地事務所に現金を送ることもできる。現金の送金に関連する全ての文書の取り扱いは、特に慎重に行なう。
44. 追加資金は、以下に示す標準書式による現金補充請求をすれば、財務課から送金される。長期にわたり預金残高が不必要に多くならないよう、資金はできるだけ利用日近くに送金されるよう手配する。
送付先:UNHCR財務課(HQTY00)
送付元:請求担当官/現地事務所の場所
件名:現金補充の請求
以下の情報にもとづき、至急資金を送金願います:
(日・月・年)現在の残高(全銀行口座および小口現金):(合計額と通貨の詳細を記載)
向こうX週間(最長4週間)の支払い必要額:(運営や計画のニーズ、合計額、通貨の詳細を記載)
補充請求額:(合計額と通貨を記載)
UNHCRの口座番号、現地事務所の口座の種類と受信銀行コードを含む、銀行の正式名称と所在地