21. スタッフ・ミーティングを初期段階から定期的に開く。チームの満足度は、緊急事態事業の成功を大きく左右する。
全員にUNHCRチームの一員であるという自覚をもたせる。これにはコンサルタント、配属された職員、ボランティアも含まれる。
22. 非常に長時間の勤務がしばしば必要とされるが、監督者は職員に難民居住地から離れた場所で休息をとらせ、過労によって能率が落ちたりプロ意識が失われないように注意する。
23. すべてのフィールド職員には自分の健康を管理する大きな責任があると同時に、同僚が精神的・肉体的な健康を保てるようにする役割もある(第22章参照)。早目に改善措置を取れば、主力職員の入院や引き上げは避けられる。
24. 緊急事態中、職員は時として、困難に直面している、ある特定の難民や家族に対し時間をかけた支援をすれば、その難民の苦しみを和らげられるのが明らかな場面に遭遇する。そうしたい気持ちはよく理解できるが、それは個人的な感情の深入りにつながり、難民全体に対するより幅広い責任をおろそかにするとともに、他の難民の反感も買いかねない。通常、個別的なケアには難民コミュニティが直接あたるのが最も望ましい。全職員とも、同情心はプロとしての取り組みによって抑制しなければならない。この点では、監督者の指導がしばしば必要になる。
25. 新たに採用した国内職員を適切に監督・激励するよう特に注意する。事務所長をはじめとする国際職員は会議や現場に出向いていて非常に多忙なことが多い。他の職員はしばしばUNHCRについて、そして事業についてはさらに知識が乏しく、指導も受けられず、一体感を感じていない。緊急事態事務所キット(本章第60項)に含まれている一般情報が、新たに国内採用した職員に対して状況説明をする際に役立つ場合もある。どんな場合も、新たに採用した職員に対し、少なくとも事業の全般情報と新人職員の役割を、直属の監督者が説明する。
人事管理(personnel administration)
26. UNDPが雇用条件の決定や国内職員の選定の手助けをしてくれるだろう。
27. 辺境地に配属されるフィールド職員の管理には、慎重な注意が必要だ。少なくとも初期段階にフィールド担当官を管理には、事業国への派遣、および国内での移動と日当(DSA = daily subsistence allowance)を承認する出張命令書(PT8)の発行が便利である。当初のPT8が国内移動に適用されない場合は、追加証明を発行してもらう。通常、緊急事態状況では職員が多額の現金を持ち歩くのを避けるために、DSAの前払い金が毎月支払われる。この前払い金はUNHCRの仮勘定コードに勘定コードVF324として計上され、PT8の原本裏面に記録される。任務が完了したら、出張関係費を精算する事務所は、前払い金を給付金から必ず差し引くこと。
28. 辺地で働く国内職員(フィールド職員の運転手など)の適切な管理にも特別な注意が必要である。事務所長は、辺地で勤務につく職員に公用車の利用を認める(緊急事態のためこうした必要が生じやすい)。フィールド担当官には最初から運転手をつけるよう最大限の努力をする。運転手は様々な形でフィールド担当官の大きな助けとなる。