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□ 難民の自主帰還の意思表示への立ち会い。

□ 難民 居住地、帰還ルート、越境地点、通過・到着センターにプレゼンス(時に継続的に)を維持する。

□ 難民 帰還民の移動に同行する。

□ 難民 帰国後、帰還民の待遇をモニタリングする。

□ 難民 ロジスティクス(輸送・供給)事業のうち、事業協力機関に委託していない業務を手配するとともに、委託業務をモニタリングする。

 

帰還民の人数の予測

45. 帰還計画を立てる時は、帰還民の人数の予測が重要になる。さまざまな理由から正確な人数の把握はまれにしかできないが、できるだけ現実に近い想定人数が必要になる。難民は、先に出発した仲間がうまく帰れるか、故郷でどのように受け入れられるかを見極めようとする。そのため、初めは帰還民の数が少なくなりがちだ。計画はこの点を考慮し、柔軟性を持たせなくてはいけない。

 

46. 以下の情報が必要となる。

i. 帰還の意思がある難民の数。難民を無作為に選んで意思を確認したり、年長者、指導者、女性、教師、その他コミュニティの関係者で難民の意向を知っていそうな人と話をし推定する。すでに起きている自然発生的な帰還を観察し、帰還民が直面している問題点を把握し事態を予測することもできる。

ii. この段階では帰還しそうにない難民の数。

iii. 庇護国における現時点での難民の所在地と数。

iv. 出身国の出身地方・地域(帰還希望地)。帰還予定者数に基づき、どの地方・地域を優先的に扱うかを決める。

v. 特別なニーズのある難民のリスト。

 

47. 上記iii〜vを含む帰還事業の情報は、可能ならFBARS(フィールド登録システム、Field Based Registration System)を使いコンピューター処理し、難民到着時の初期登録情報と、その後の定期更新情報と統合する(第11章を参照)。

 

予想される帰還ルート

48. 予想される帰国手段に基づき、難民キャンプから出身国の目的地までの主な帰還ルート(道路、列車、空港など)を調べる。越境地点(最重要地点、重要地点、その他の越境地点、わき道)を確認する。より安全なルート、地雷の危険がある場所を検討する。

 

49. さまざまな種類の地図を集める。FBARSの内容を地図、図表、グラフに書き込むこともできる。地名やつづりは変わっている場合があるので、標準的なものを使う。

 

情報キャンペーン(mass information campaign)

50. 難民が出身国の状況について正確な情報を得られるようにした上で、自主帰還事業そのものについても直接情報を得られるようにする。難民の使用言語で作成されたポスター、チラシ、口頭での発表、ラジオ・TV番組などにより、自主帰還事業の見通しをできるだけ詳細に説明する。簡単なチラシで到着時に予想される手続きと準備状況を説明しておけば、帰還民の役に立つし、受け入れ手続きをスムーズに行なう助けともなる。情報キャンペーンの各段階において、できるだけ客観性を維持し、誤った期待が生まれないよう注意する。出身国の特定の状況について、質問されても分からない場合は、ためらわず難民にそう告げる。

 

 

 

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