床は水平かつ頑丈でなければならず、建物はアクセスが良く、荷の積み降ろしに適した設備(ランプやプラットホーム)を備えていること。
70. 倉庫を選ぶ時は、以下をチェックする。
□ 屋根と換気の状態
□ 壁の状態と耐水性
□ 床の状態、断熱性と全体的な水はけ
□ 車線数と入り口の数
□ 取り扱い機器と労働力の入手可能性
□ ユーティリティ(水、電気、トイレ、防火)
□ 事務所スペースと運転手・警備員の宿泊設備
□ 燃料・建材・予備貯水など、必要に応じた特別設計
□ 仕切り、警備員、安全扉・窓
71. 倉庫の必要容量は(1)供給物資の特性・種類・数量(2)対象難民数(3)難民が必要とする外部支援の内容、などによって異なる。必需品、特に食糧・燃料の予備在庫は、難民所在地の近くに置く。
予定されていた配達がない事態に備えて、十分な在庫を確保する。大まかにみて、1〜3カ月分の配送をカバーできる備蓄をする。
逆に、難民が当面必要としない品を大量に保管しないよう注意する。これには暖房器具や毛布(blankets)などの季節用品などが挙げられる。
72. ある物品の保管に必要な倉庫のおおよその容量は、以下のように見積もることができる。

高さ2メートルまで収納できれば、物資が占める最小面積は体積の半分の値になる。通路と換気を考えて、この面積をさらに最低20パーセント広く見積もる。
73. 例えば、一人あたり1日350グラムの穀物配給を受ける難民3万人に、主要穀物を2カ月間供給しつづけるには、以下の規模の倉庫が必要になる。
350グラム×3万人×60日=630トン
1トンの穀物には2立方メートルのスペースが必要。
よって、630トンの穀物には1260立方メートルのスペースが必要となる。
1260立方メートルを高さ2メートルの場所に収納すると、面積630平方メートルと、通路にプラス20パーセント、すなわち計756平方メートルの床面積が必要になる。したがって、縦約50メートル、横15メートルの建物が必要である。
倉庫の建設
74. 適当な保管施設がない場合、建設の必要があるかもしれない。地元の技術・建材・方法を利用するのが長期的には、一番適切となる可能性が高い。しかし早急な倉庫の建設には、暫定措置としてプレハブ(またはテント)倉庫が必要となる場合がある。こうした仮倉庫の設置場所は慎重に決め、必要なら溝を掘って地表水が流れ込まないようにしたり、倉庫内に(パレット〈荷運び台〉を設けるか、砂上にグランドシートを敷いて)高床の荷台を作る。