賠償請求には、輸送業者が紛失・損傷の責任があるとUNHCRが考える価額をドルで明記する。賠償請求書の写しを本部の供給・輸送課に送付し、同課が以後の処理を行なう。損失・破損の価額には、関連輸送費の一切を含める。損傷を視認できず、かつ梱包が無傷の場合、輸送業者は物資の受領後7日以内しか賠償請求を受け付けない。
契約仕様規格を満たさない物資は受け取らない。
破損や不足があった場合、または製品が仕様を満たしていない場合は、必ず直ちに本部に通知する。
保険(insurance)
62. 輸送時・保管時を問わず、ある程度の破損は避けられず、損害額はしばしば大きくなる。国際調達物資は、評価額が基準となる額(1998年度は20万ドル)を超えているか、物資が非消耗品(車両やコンピューターなど)ならば、輸送中の紛失・破損に対し保険がかけられる。保険金の請求手続きは、ただちに取らなければならない。
◆保管
◆ 適切な場所に、適切な容量の保管(storage)設備が必要である。
◆ 緩衝在庫の内容は、正確に計算・予測しなければならない。「念のため」だけに蓄えることはしない。
基本条件
63. 物資が以下の原因でダメージを受けないよう守らなければならない。1)乱暴な取り扱いや不適切な積載方法。2)日光・雨・冷気・湿度など気候の影響。3)伝染病の影響。4)時間の経過に伴う食糧品・非食糧品の微生物分解。
64. 以下の目的のため保管施設が必要となる場合がある。
i. 入港地近くでの初期保管。
ii. 主な積み換え地での一時保管。
iii. 難民所在地まで1日で運べる場所での現地保管。
iv. キャンプでの保管。
保管施設の場所については図1を参照。
65. 倉庫は、どの季節や気候でも利用できなければならない。冬季や雨季が来る前に、よく計画を練ること。事業上の要件を満たすなら既存の国有倉庫を利用する。
66. 物資の安全を確保しなければならない。倉庫には盗難を防止する措置がなされていなければならず、できれば照明が付いているのが望ましい。可能な限り現地調達物資の保管は供給業者の責任とする。特別な保管が必要な品目には特に注意する。
67. 積み込み口と進入用スロープ(ランプ)さえ十分あるなら、小さい建物が数棟あるより、大きな建物が1棟あるほうが望ましい。入り口は、貨物の積み降ろしが迅速にできるだけの大きさであると同時に、進入者と通路を管理しやすい程度に小さくする。
68. 物資の取り扱い回数を極力減らせる配給・保管システムを作ることで、費用を削減できるだけでなく、破損や紛失も減らせる。在庫管理では「先入れ先出し」の原則を守り、雨の中での荷降ろしは避ける。
倉庫を選ぶ際の考慮事項
69. 倉庫(warehouses)はしっかりした構造で、湿気がなく、換気の良いものが望ましく、ネズミ類、虫、鳥からの防護対策を取る。