物資はテントの壁に触れないようにする。プレハブ倉庫は、UNHCRの緊急事態用の中央備蓄物資に含まれている。縦24メートル、横10メートルで、容積は750〜1100立方メートル。
◆在庫管理
◆ 有効な在庫管理(stock management)と物資の安全は絶対に必要な要素であり、家庭や個人への最終的な配給まで、サプライ・チェーンの全体で確保しなければならない。
◆ UNHCR物資追跡システム(CTS = Commodity Tracking System)を使って1)在庫、2)輸送、3)紛失、4)破損、5)配給状況、を報告する。
75. 在庫管理システムによって、初期の少量の物資を最大限に活用し、迅速に配給できるようにする。
決定的な不足を招きそうな事態を適宜発見し、最終受益者への配給を確保するためには、しっかりとした在庫管理・配給システムが欠かせない。
さまざまな援助をしても、受益者の全てのニーズは満たせないだろう。関係機関は、どの物資を誰に対して速やかに配給すべきか見極めなくてはならない。
76. 在庫管理・配給システムでは、1)何が発注されたか、2)物資がどこにあるか、3)いつ配送されるか、4)どこに配給したか、を確認できるようにする。こうした情報は、事業責任者らが利用できなければならない。
77. 管理業務では、到着した委託された積荷の照合、倉庫内での在庫検査、各自の配給カードの点検や難民所在地での配給点検、最終的な配給のための慎重な計量、などを行なう。こうした業務の内容は状況によって異なるが、最初から実施する必要があり、単に理論上の管理ではなく現実的な管理にしなければならない。実際に難民に配給された物資の量と、届けられた物資、保管されている物資、紛失・破損した物資の量との間に矛盾があってはならない。
78. 緊急事態の段階では、実際の配給管理に加え、基本的な管理体制を早急に確立する必要がある。これについては、付表3に記した。
79. UNHCRの物資追跡システム(CTS = Commodity Tracking System)は、コンピューターを使った在庫管理方法で、発注書、出庫・倉庫書類(付表3に記載)に記載されている情報を使い、事業国の通関港から最終的な配給地点まで物資を追跡する。追加モジュール(「輸送ルート管理モジュール〈pipeline management module〉」)を使えば、(世界中の)供給源から通関港まで物資を追跡できる。
80. 在庫管理・配給システム(CTSを含む)からは、報告書を作成するための情報も得られる。コミュニティ・サービス、フィールド、プログラムの各担当官の報告に利用できるシステムにする。詳細な手引き、特に配給に関する報告システムの確立については、UNHCRのCommodity Distribution - a practical guide for field staffを参照のこと。
81. 「車両維持管理システム(MIMS = Motor Item Management System)」は、コンピューターを使った輸送隊管理方法で、車両や発電機のメンテナンスと修理、燃料消費、車両保険、車両の登録・転用・処分を追跡する。