日本財団 図書館


委託貨物

52. 物資を発送する事務所は、荷受け人を必ず確認する。通常、荷受け人は事務所の代表とし、特別な指示がある場合は“For(プロジェクト名/NGO)”とカッコ書きにする。

UNHCRの緊急事態事業のために国外から必要物資を送る場合は、荷受け人の宛て先をすべて統一する。

ただしUNHCRが駐在していなかった場所に送る場合は、当該国ですでに良く知られている、UNDP(国連開発計画)のような国連機関気付けとしたほうが良い場合もある。ただし、それによって遅延が生じてはならない。同様にキャンプに物資を送る場合も荷受け人を統一する。

 

53. 現地調達と国際調達のいずれの場合も、適切な梱包、ラベル貼付、表示が不可欠だ。すべての機関と拠出国・機関が、救援物資に共通の表示やラベルを付ける必要がある。以下のガイドラインに沿うこと。

i. 色コード――救援物資に使われる色は以下の通り。食糧→赤、衣類と家庭用品→青、医療品・医療機器→緑。

ii. ラベル――必要に応じて、委託貨物には国際的な危険警告表示(FRAGILE「こわれもの注意」、NO HOOKS「手鉤無用」、KEEP DRY「水濡れ厳禁」など)のラベルを貼付する必要がある。委託貨物が医薬品の場合、パッケージに原材料、有効期限、保存温度を明記しなければならない。ラベルと印刷表示には英語かフランス語を使うが、他の言語の表示を加えてもよい。最終目的地(または入港地)を、ラベルの最下部に非常に大きな文字で記すこと。

iii. 表示――通常、すべての国際調達物資と国内調達物資には、UNHCRのプロジェクトコード、発注番号、品名、梱包仕様、入港地、荷受け人を表示する。救援物資は、必ず品目別に梱包する。種類の異なる品が混ざると、倉庫保管や最終配達地で配給する際に問題が生じる。例えば、医療品が食糧と同じ容器に入っていると、色コードの意味がなくなってしまう。

iv. 寸法と重量――梱包品は、ひとりの人間が取り扱える大きさと重量でなければならない(理想は25キログラム、最高50キログラム)。最終配達地では、貨物の積み降ろしに機械が使えないかもしれない。

 

荷受け人には事前通知をする。安全に輸送し、最終配達地での作業を簡単にするためには、以下の情報(なるべく1つの文書に収める)が必要不可欠だ。

i. 発送人(または「荷送り人」)の氏名。通常は、本部の供給・輸送課。

ii. 荷受け人の氏名。

iii. 輸送方法、船舶名または航空機/トラックの便名、到着予定日/時刻、出港地、運送業者の名前(航空会社や船会社など)。

iv. 重量、寸法、梱包物の数と種類など、内容の詳細。

v. 委託貨物の評価額を明記した送り状または寄贈証明書。

vi. 委託貨物に保険がかけられている場合は、保険の種類、会社名など。

vii. 通関代理人。荷受け国での連絡者の氏名も記載。

viii. 物資の取り扱いと保管に関する指示または特別な要件。

 

委託貨物を受け取ったら、できるだけ速やかに受領通知を発送人に送り、物資が良好な状態で届いたか、紛失や破損があったかを知らせる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION