国内輸送
輸送網
36. 多くの国では、往々にして既存の輸送サービスは、大きな余力がないため、難民がいる地域までカバーしていない。
37. 適切な鉄道網は有効な輸送手段になる。しかし多くの鉄道システムはしばしば混雑しているか、所有車両(機関車と車輌)が不足しており、長時間の遅れに見舞われる。ほとんどの場合、最終目的地へ到達するために道路を使った輸送が必要となる。
38. 以下を評価する。1)鉄道・道路・内陸水路の輸送力。2)運行回数。3)評判のよい運送業者。4)貨物運賃。5)積載量。6)積み換え地点の設備(フェリーや鉄道から陸運に移す設備)。7)燃料供給やメンテナンス用設備の利用可能性。
さまざまな輸送ルートとその受け入れ能力を、費用、配送速度の点から評価する。空輸しても、大幅な時間短縮になるとは限らない。
道路輸送
39. 軽車両は、救急用などの特別な用途や職員用に必要となる。重車両は、貨物の運搬や帰還事業での難民輸送の際に必要となる。
40. 燃料、スペアパーツ、管理業務など、適切なサービス体制が必要だ。修理作業場を設置するなどしばしば特別な手配が必要である。
輸送隊を管理運営するには、強力な管理運営能力や十分な連絡、調達その他の業務との密接な調整が必要である。これによって効率的なタイミングでの集配が可能となる。
付表2に車両ニーズと保守整備施設の把握方法と計画を示した。
41. 運転手には、UNHCRの手続きについての研修を受けさせる。超過勤務をさせないよう、十分な数の運転手を雇う必要がある。
運転手の疲労の増加に伴い事故発生率は急上昇する。
車両の使用を監視・管理するシステムを確立する(付表4の車両運行記録の例を参照)。軽車両については、運転手に特定の車両を割り当て、責任をもたせる。
42. 場合によっては、輸送路を改善する緊急措置が必要となる。改善方法を決める時は、技術的な助言が非常に重要である(本部の計画・技術支援課に助言を求めること)。実際の改善措置は、おそらく難民の労働力を用いて、運輸省(または管轄当局)が実施する。場合によっては、通常の道路が通行できなくなった時のために、代替ルートを慎重に打ち合わせしておく必要がある。
43. 最終的な配給地点までは車両、自転車、家畜が牽引する荷車、手押し車などが利用される。地元では、通常、物資をどのように運搬しているか観察する。
輸送力
44. 物品をトラック輸送する場合は、以下の情報をもとに必要な台数を見積もる。
i. 輸送物資の量(重量・容積)。
ii. 利用可能なトラックの種類と積載量(重量・容積)。
iii. 往復に要する時間(荷の積み降ろしにかかる時間を含む)。
iv. 毎日の保守点検、その他あらかじめ分かっている要素(運転手の休憩など)に使える時間。