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製品を選ぶ際の考慮事項

環境

29. UNHCRには、環境に配慮した製品を意識し、供給するという方針があり、これは緊急事態下でも適用される。製品の環境への影響は、品質を考慮する上で重要な要素と考えられている。複数の供給業者が、仕様、価格、品質、納期の点で実質的に同じ製品を提供している場合は、製造、使用、処分による環境に対する影響がより小さな製品を選ぶことが方針となっている。詳細はEnvironmentally Friendlier Procurement Guidelines, UNHCR, 1997を参照のこと。

 

住居

30. 住居には、できるだけ地元の資材と工法を利用する。必要に応じて、防水シートやポリエチレンシートを併用する。遊牧民族を別にすれば、テントは長期的な住居に適しているとは言えない。しかし緊急事態では、テントは貴重な最終手段である。使わないで保管しておくと、保管時間の長さにかかわらず、劣化する点に留意する。湿度が高い場合はなおさらである。

 

現物寄付

31. 現物寄付は、常に実際のニーズと文化的な適合性に基づき評価する。現物寄付の申し入れは、すべて本部のドナー・リレーションズ部と供給・輸送課と協議してから受けること(第8章を参照)。寄付品の梱包(輸送条件を満たす必要がある)と有効期限には特に注意する。

 

衣類(clothing)

32. 緊急事態では、しばしば古着が提供されるが、たいていの場合ニーズに合わないので、提供をやめさせるようにする。寄付される古着は、状態が悪く、汚れていたり、きちんと分類されていないことが多く、難民の習慣にも合わない。地元製の衣類購入を検討し、難民へ供給される衣服が文化的に受け入れられるものであるようにする。

 

◆輸送(transport)

 

◆ 輸送隊の車は同じメーカーと車種に統一する。

◆ 1)運転手、2)燃料、3)潤滑油、4)スペアパーツ、5)タイヤ、6)保守要員、7)施設などを十分に確保する。

◆ 出入路、橋、空港、その他のインフラの改善が必要となる場合もある。

◆ 十分な予備輸送力(10〜20パーセント)を確保する。

◆ 保健やコミュニティ関連のサービスについては、帰還事業での難民の輸送や、弱者層への配給で特に必要な条件を把握する。

 

国際輸送

33. 優先的通関・免税措置のために、関連当局と事前に取り決めを交わす。

 

空路

34. 緊急事態の段階では、海外からの物資が空輸される場合がある。空港の処理能力(設備の状態、営業時間など)に関する最新情報と、救援物資の輸出入に必要な書類のリストを本部の供給・輸送課へ送る。

 

海路

35. 船で運ばれる救援物資の詳細が分かったら、直ちに通関、接岸位置の優先割当てや荷揚げの手配をする。原則として、運搬には救援物資を直接荷揚げできる船だけを使い、物資をトラックへ直接積み込むのが望ましい。その後の運送や一時保管の手配も、船が到着する前に余裕を持って行なう必要がある。

 

 

 

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