◆ 一般品目については標準仕様規格(standard specifications)がある。
◆ 一部の緊急事態救援品は、UNHCRが中央備蓄しており、緊急事態の際はすぐに利用できる。
はじめに
10. 原則として、UNHCRは競争入札によりすべての調達を行なう。標準規格を参考にすれば、この過程は簡略化・効率化できる。
11. 本部の供給・輸送課は、調達・ロジスティクスにかかわる全問題について助言・支援を与えるとともに、国際調達の責任を負う。現地調達の手引きは他の国連機関からも得ることができる。入札手続きについては、第8章の付表2を参照。
12. 入札書類と発注書を作成する際、すべての仕様、数量、納期、梱包、支払い条件を明記する。契約条件に注意しUNHCRの権利を守り、免責を明らかにする。入札案内には、必ずUNHCRの標準販売条件を記載し、供給業者に前渡し金を支払ったり現金振り替えをする場合は、本部の承認を得る。
13. UNHCRに代わって実施協力機関が調達を行なう場合も、競争入札の原則に従わなければならない(Programme Management Handbook for UNHCR's Partners, section 4参照)。UNHCRが資金提供する計画のために実施協力機関が現地・国際調達をする場合は、UNHCR職員がモニタリングする。
14. 同じものだが品質の程度が異なる品物を購入しないよう注意する。
現地調達と国際調達
15. 緊急事態に必要な救援品目が現地で調達できる場合は、可能であれば国際市場価格と比べる。カタログを参照したり、現地価格を本部の供給・輸送課に報告すれば、最も適切な方法を助言してくれる。地元市場で簡単に入手できる物を調べ、適当な場合は、少なくとも最初は現地で調達(procurement)する。同時に、初期段階以後も現地調達を続けた場合と国際調達にした場合の費用効果を比較検討する。
16. 国際調達と比べて、現地調達には以下を含む多くの利点がある。
i. 価格が安い。
ii. 納品が速く柔軟である。
iii. 地元で受け入れられやすい。
iv. 地元の経済に恩恵と刺激効果を与える(特に大規模な難民流入で打撃を受けている地域)。
17. 一方で、以下の欠点もありうる。
i. 価格が高い。
ii. 品質が悪い。
iii. (需要が急増して)地元市場の相場が急騰し、地元消費者にマイナスの影響を与え、反感を生む。
iv. メンテナンス費用が高い。
18. 原則として、現地調達価格が納品時点での国際調達価格よりも15パーセント以上割高になる場合は、現地調達は認められない1
現地調達
19. 地元市場の供給能力が小さい場合、ある物資をめぐって複数の組織が競り合い、相場が急騰することのないよう注意する。ニーズについて明確な合意がある場合は、複数の関係組織が調達を連係したり、一括発注が可能である。
国際調達
20. UNHCRは、さまざまな製品について多くの長期供給契約(包括契約、frame agreement)を結んでいる。
1 IOM116/94 FOM120/94、UNHCR14.12.94。