viii. 十分な連絡体制――サプライ・チェーンにかかわる事務所同士の定期的な情報交換は欠かせない。本部は以下についてできるだけ多くの情報をフィールドに提供する。1)物資やサービスの調達と発送、2)到着予定時間(ETA = estimated times of arrival)、3)配達スケジュールの変更、4)現物寄付。フィールドからは、輸入関連法に改正があれば本部に知らせ、委託貨物の受領と配給を確認し、現物寄付についても報告する。
発送地点と配達地点には良好な通信施設が必要であり、陸上輸送の場合は携帯用通信装置が必要である。
ix. 明確な責任体制――
現場での取り決めの形態にかかわらず、事業協力機関の責任とUNHCRへの報告経路を明確に定めなければならない。
サプライ・チェーンに関する重要決定は、しかるべき責任と権限の双方を持つ特定の人物が下す。
現地資源とその他の資源
7. サプライ・チェーンには、できるだけ現地の資源と情報を使う。すでに優れた保管・配給システムがある場合は外部の支援が必要ない場合もある。外部の支援が必要な場合は、以下の場所に求める。
i. 本部の供給・輸送課(調達、ロジスティクス、輸送隊の管理、契約を担当)。
ii. 政府の災害対策機関や緊急部隊、拠出国政府の政府サービス・パッケージ(第8章を参照)。
iii. 適切な経験のあるNGOまたは民間企業。
サプライ・チェーンの確立
8. サプライ・チェーンに対しどのような支援が必要かは、緊急事態ごとに異なる。1)UNHCRが直接実施する場合、2)事業協力機関を通じて実施する場合、3)民間企業に請け負わせる場合、などの状況がある。
9. サプライ・チェーンは、以下の手順で確立する。
i. 救援物資の免税輸出入や免税・非課税調達のために、政府当局と取り決めを結ぶ。遅延のないよう、物資の到着予定日前に手配しておく。
ii. 地元供給業者を使えるかどうか調べる。
iii. 目的(食糧/非食糧品の保管、荷物の積み換え・保管・配給)に合った倉庫を選ぶ。貨物の積み下ろしが楽にできる出入路と出入口を確保する。
iv. 物資ないし乗客に合った輸送方法を選び、必要な軽・重車両、船舶、航空機、列車の種類と数を決める。燃料とメンテナンスに必要なもの(タイヤ、潤滑油、部品、整備士)を見積もる。
v. 人手がいちばん必要な時期は、臨時の援助を使う。
vi. 事務機器・用品、光熱、水道、車両(vehicles)、貨物取り扱い道具、通信、居住設備など職員を支援するために必要な設備を用意する。
vii. 書類作成・整理システムを確立し、標準書式で救援物資の状況を報告する。職員に手続きに関するアドバイスと教育訓練を行なう。
◆供給物資(supplies)
◆ 地元の市場で簡単に入手できる物を調べ、それらが適当であれば少なくとも事態の初期は、地元で調達する。
◆ 原則として、UNHCRは競争入札を実施して調達する。