紙、石、トウモロコシの穂軸、その他水溶性でない固形物を肛門の始末に使う場合は適さない。水洗式トイレは、水が容易に手に入る場合のみ適切に使用できる。トイレの近くに、大型容器と容量3リットルのひしゃくを設置する。
図5

安定化池
52. し尿を不透水性の土壌で処理しなければならない場合、特に高温地帯では安定化(酸化〈oxidation〉)池を利用すれば、簡単かつ安価ですむ。各種システムについては、技術資料の説明を参照。池を使用する場合は、安全上、囲いなどを設ける必要がある。
◆廃棄物
◆ ゴミ処理(garbage disposal)が不適当だと、虫やネズミ類が原因となる病気の危険が増大するので、ゴミの貯留・収集・処分のための有効なシステムを作る。
◆ ゴミ処分場を決め、立ち入りを制限する。
◆ 大量のほこりは健康を害する恐れがある。植生破壊の防止が、ほこりを抑える最適な措置となる。
一般的な考慮事項
53. 難民は大量のゴミを出さないと考えられがちで、この問題は軽視されやすいが、毎日出されるゴミの量・重さは相当なものであり、特に市場では大量にゴミが出る。
放置されたゴミの山は健康に悪く、ネズミ類や虫を媒介とする病気を増加させる。
緊急事態の初期は、衛生管理と廃棄物処理が不十分なため、害虫やネズミ類など有害生物が急速に繁殖する。
54. 食糧は缶詰めの形で難民に配給される場合がある。空き缶は、美観を損なうだけでなく、子どもがケガをしたり、蚊(mosquitoes)の繁殖場所になることもあるなど、健康にも有害である。決して生物分解されないので処分方法を特に考慮する。
55. 保健センターから出る医療廃棄物(使用済みの注射器や注射針、汚れた包帯、検査試料など)は危険である。医療衛生サービスへの立ち入りを十分に管理し、廃棄物は分別し速やかに処理する(下記参照)。
すべての医療廃棄物を安全に処分するには、特別な注意が必要である。
ゴミの貯留、収集、処分は決まった手順で行なうべきで、人口過密地域では特に重要である。