ボアホール(縦穴)式トイレ
47. ボアホール式トイレ(bore-hole latrine)(図3)は、手動式地面掘削機(オーガー)や機械式ドリルで掘り、ピット式より小さなコンクリート板が必要である。穴は直径35〜45センチ、深さ7メートルまでとする。このトイレの長所は、掘削機があれば、すぐに家庭用トイレとして設置できる点である。短所は、側壁が汚れやすくハエが繁殖しやすい。また、通気式のものより臭う点と、深いため地下水汚染の可能性が大きくなる点である。
通気改良型二槽(VIDP)トイレ
48. 地下水面が高いか、岩地などで掘削が難しく深い穴を掘れない場合は、地面より高い所に便槽を設ける。
49. VIDPトイレ(ventilated improved double-pit latrine、図4。二つの便槽を備えた通気孔付きトイレ)は、浅い便槽が2つあり、それぞれにハエ捕り金網をかぶせた通気孔が付いている。代替トイレが確保されているため、一段と人口が増えそうな過密地域に向いている。
50. 便槽が二つあるため、より柔軟に対応できる。ひとつの便槽は2〜3年で一杯になり、その後1年はそのままにしておく。これによって、し尿は水分を失い分解されるため、除去作業も簡単になり健康への害も少ない。一杯になった便槽で分解が行なわれている間、もう一方の便槽を使う。二つの便槽を同時に使わないこと。
水洗式(PF)トイレ
51. 水洗式トイレ(pour-flush latrines、図5)の仕組みは簡単だが、排水槽に使う透水性の土が必要になる。しゃがみ用便器や便座の下側にあるパイプのU字型部分にためた水がパイプの封となる。利用者は1〜3リットルの水を流し、便槽または排水槽に汚物を流し込む。排便後の肛門の始末に水を使い、難民が水洗式に慣れている場合に適している。
図3

図4
