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◆配水

(UNHCRのWater Manual第10章を参照)。

 

◆ キャンプにいる受益者の、水のニーズを均等に満たす配水システムをつくる。

◆ 配水システムは簡単なものにとどめる。

◆ 平常時は、難民キャンプへの配水は公共の給水塔を通じて行なう。

◆ 水のムダ使いを最小限に抑える配水システムにする。

 

難民が容易に、ただしきちんとした管理のもとで水にアクセスできるようにする。

利用者の住居は、配水所から100メートル以内、つまり徒歩で数分以内の所にあるのが理想的である。

 

98. 遠くまで水を取りに行かなければならない場合、難民は、水で洗い流すことのできる病気を防ぐための十分な量の水を取ってこないか、あるいは近くにある汚染された水源から水を取ってくる傾向がある。配水は、用地設計の際の重要な考慮事項となる。配水所周辺は、石や砂利を敷き詰めるか、板で囲い、きちんとした排水構造をもたせる。

 

99. 個人への配水方法は、現地の状況によってさまざまある。利用者が無制限に主要水源にアクセスできる状況は避ける。

人々が長時間待たなくてすむよう、配水システムには十分な数の取水口を設ける。

 

100.  業務専用および管理運営用の建物には、専用の配水管を設ける。

水が少ない場合は、配水の公平さが極めて重要な問題となる。

 

101.  水が限られている場合は、弱者層(病人、負傷者、重度の栄養失調者、子ども、妊産婦、障害者)に十分かつ確実に分配した上で、他の人々の間で公平に分ける。難民が,水の公平な分配に対し責任を持つようにする。事前の取り決めが守られているかを慎重に監視し、不正を発見・防止する。場合によっては、水量計が使いすぎを発見し、使用量を減らすための安価で効果的な方法となる。

 

102.  配水システムの中心となるのは、配水管そのものである。家庭用の水は、水源から貯水所、配水所まで、必ず配水管を通して供給し水質を保全する。その他に、加圧タンク、配水調節弁、配水池、給水所などによって配水システムが構成される。

 

103.  可能な場合は、給水塔とプッシュ式給水栓から水を供給する方法を勧める。通常は、給水栓が複数あり、給水塔の場合5〜10個の給水栓が付いている。給水栓は非常に壊れやすいので、予備を用意すること。給水量が限られ、そのうえ用地の人口密度が高い場合は、鎖をかけて立ち入りを制限できる給水所を設けることが、唯一の有効な解決策となる場合もある。

難民80〜100人につき最低1個の給水栓が必要である。手動ポンプ1つ、またはロープ付きの水汲み用おけ1個を備えた井戸1基の使用人数は200人までとする。

 

104.  取水源または放水口は、利用人数が多いほど汚染・破損の危険性が高くなる。最終的な配水システムの形態がどうであれ、慎重な管理・監視が必要で、警備員が必要な場合も多い。

 

105.  給水システムの設計・施工・運営・メンテナンスは、給水栓や配水管などからの水のムダを最小限に抑える必要性を念頭に置いて行なう。

 

 

 

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