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v. 詳細調査。採用された設計の全ての側面と細部を詰める。より詳細な水質分析、工事用建材の特定、水源の湧水量の詳しい測定値、水源地・貯水槽・配水所の位置の詳細な地形調査など。

vi. 最終的な設計の作成。

vii. 難民のプロジェクト参加を組織化する。難民の中から関連技能と専門知識・技術を持つ者を見つける。難民委員会を組織する。

viii. プロジェクトの実施。工事に加え、技術的な監督をするなどの必要がある。これは工事が間違いなく、事前に承認された計画に沿って実施され、かつ工事に対する支払いが完成した工作物の実価に見合うようにするためである。

ix. 運営とメンテナンスの組織化。難民と関連支援分野(保健、衛生、コミュニティ・サービス)の代表者からなる委員会も設置する。継続的な技術支援を手配し、運営・メンテナンス業務を担当する管理者、あるいは管理グループを雇う。

 

45. こうした問題の補足情報と詳細は、UNHCRのWater Manual(第6章第1、36節、第11章第2、3、11節、第12章第5、12-8、16節)を参照。

 

46. 計画や管理がずさんな給水システムだと、すぐに問題が起きる。緊急事態ニーズの解決策を探る一方、難民の長期的ニーズを考えるべきである。長期的問題を回避する努力は、後に非常に有益となる。

 

◆水源

(UNHCR のWater Manual第6章参照)。

 

◆ 雨水や湧き水、井戸からの地下水、公共・民間水道からの給水は、通常、河川、湖、ダムなどからの地表水より水質が良いので、可能な場合は利用する。

◆ 地表水は汚染されているものと想定し、使用前に処理する。

◆ 水源が汚染されないよう物理的な保護が不可欠となる。

◆ 新たな、または修復した水源と設備は、使用前に殺菌する。

◆ 水源のデータベースを作る。

 

はじめに

47. 淡水には、主に以下の3種類の天然水がある。地表水(小川、河川、湖沼)、地下水(地下水脈、湧き水)、雨水である。

 

48. 緊急事態に使う水源を選ぶ際は、以下の事項を検討する。

i. 常時使えるようになるまでの時間

ii. 取水量

iii. 供給の信頼性(季節の変化や、必要ならロジスティクスを考慮)

iv. 水質、汚染の危険性、浄水処理(必要な場合)のしやすさ

v. 地元住民の権利と福利

vi. 技術の単純さとメンテナンスのしやすさ

vii. 費用

 

49. 地元で使用されているシステムと方法を綿密に調べる。定評のある技術を採用し、同時に汚染対策を強化すれば、たいてい確実な解決策となる。

 

50. 組織的対策による水源の保全に加え、なんらかの浄水処理が必要な場合もある。ただし、できれば処理の必要がない水源を使う。安全でない水の浄水処理は、とりわけ僻地では困難な場合があり、処理が信頼に足るようにするには専門的な監督が必要である。

 

51. さまざまな水源について出来るだけ多くの技術情報を集め、複数の選択肢について簡単な費用効果の分析を行なう。どの水源を開発し、どんな技術的手法を採用するかを決める時は、短期的・長期的ニーズの両方を効率よく満たすシステムを開発するよう配慮する。

 

 

 

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