幼児は食糧不足の際に、真っ先に栄養失調の兆候を示し、また最も深刻な影響を受ける。子どもの年齢が分からない場合は、身長65 cm〜110cmの幼児を対象とする。
30. 体格指数(BMI = body mass index)、すなわち(体重kg)÷(身長m)2は、痩せ方を調べて成人の栄養状態を評価するために使われる(表1参照)。
31. 浮腫は栄養指標の必須要因で、クワシオルコル(kwashiorkor)を示す(付表3参照)。浮腫は、身体の細胞間組織に体液が異常に蓄積じて両脚がむくむという特徴がある。
32. 上腕囲。上腕囲(MUAC = mid-upper arm circumference)は、左腕のひじと肩の中間点で測定する。MUACは、二段階測定の一部としてのみ利用する。第一段階では、子どものMUACを測定する。一定の腕回りに達しない子どもについては、体重/身長値を測定し、栄養状態を判断して、選択的給食計画に加えるかどうか決める。
33. 年齢別の体重・身長は、緊急事態ではあまり有効な指標ではない。多くの場合、年齢の判断が難しいからである。年齢別の体重・身長は、一人ひとりの子どもの成長をモニタリングする場合や、長期的な(慢性的な)栄養失調を調べる際に使う。
中度・重度の栄養失調
34. 栄養失調の標準的な指標は、中度の栄養失調の場合、体重/身長値が標準の70〜80パーセントの間(またはZ値が−3〜−2)、重度の栄養失調の場合70パーセント未満(またはZ値が−3未満)である。
浮腫のある子どもは、常に重度の栄養失調に分類される。
表1に栄養失調の主な指標をまとめた。
表1 主な栄養指標*
*異なる方法で得た結果は直接比較できない。
◆一般給食計画
◆ 食糧計画を立案する際、開発途上国6における緊急事態で難民ひとりが1日に必要とする食物エネルギー量を2100キロカロリーとする。
◆ 年齢や性別に関係なく、難民全員が全く同一の一般配給食糧(同量・同種類の食糧)を受け取る。
◆ 供給食糧の内容は、栄養のバランスがとれ、子どもをはじめ危険な状態にある集団に適するものとする。
4 体重/身長値の、標準値を下回る割合
5 体重/身長値の、標準値を下回る標準偏差(SDまたはZ値)
6 The Management of Nutritional Emergencies in Large Populations, WHO, Geneva, 1978.