13. UNHCRとWFPは、緊急事態や選択的給食計画2における食糧と栄養のニーズを予測するための共通ガイドライン1を策定した。一般的・選択的給食計画の食糧ニーズを把握する際は、これを使う。
配送中継地(EDP)
WFPが、委託された食糧をUNHCRまたは実施協力機関に引き渡す場所。WFPはEDP でUNHCRまたは他の協力機関が食糧を受け取るまでの過程(輸送、移動、貯蔵にかかる全費用)について責任を負う。EDPをどこにするかは、必ずUNHCRとWFPの合意によって定める。
EDPは費用効果が高く、輸送・供給に便利な場所に置くべきだが、同時に、移動距離やアクセス上の問題のために受益者に不当な困難を強いることのない場所にする。できれば最終配給地か、なるべくこれに近い場所とする。EDPは受益者約1万人につき1カ所設ける。
合同の状況把握調査と計画立案
14. UNHCRとWFPは、政府当局、事業協力機関、専門家との協議を通じて、食糧、栄養、および関連要件全般について合同の状況把握調査を実施する。
まず必要なのは、難民の数、栄養状態、食習慣についての知識である。
以下に栄養状態の把握方法を述べる。食糧援助計画に関するUNHCRとWFPの合同把握調査には以下の要素を含める。
基礎情報
i. 人数と人口統計(第11章参照)
ii. 現在の栄養状態
iii. 製粉の可能性
iv. 受益者が好む食品
v. 家庭の食糧の調理、保存、加工能力
vi. 調理燃料、調理器具、配給容器の入手可能性
vii. 現在と今後の食糧の入手可能性
viii. 地元の食糧の購入可能性
ix. 食糧供給へのアクセスのよさ
x. 危険な状態にある人々――名前と人数の確認
xi. 自給の程度と見通し
xii. 対応策
その他の重要情報
i. 健康状態と保健サービス
ii. 環境衛生上の危険
iii. コミュニティの構造
iv. 食糧配給システム
v. 社会経済状態
vi. 人材の利用可能性
vii. ロジスティクス上の制約
viii. 貯蔵容量と貯蔵の質
ix. 食糧と食糧以外の物資(non-food)の輸送予定
x. 現在の他機関の活動と援助状況――量・品目・頻度、選択的給食計画
15. WFPとUNHCRは、次の事項について計画を策定する。1)受益者数 、2)食糧パッケージの内容 、3)配給量 、4)援助期間 、5)受益者の栄養状態に影響を与えることのある食糧以外の物資(調理器具、調理燃料、製粉機など)。
16. 難民の食糧と栄養のニーズに対応する上で考慮すべき主な事項を図1に示した。
1 WFP/UNHCR Guidelines for Estimating Food and Nutritional Needs in Emergencies, UNHCR/WFP, 1997.
2 UNHCR/WFP Guidelines for Selective feeding Programs in Emergencies, WFP, UNHCR, Geneba, 1999.